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衛星和誌 −Qカップ姉妹−
【SF 官能小説】

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ルリア語り(2)-1

 調教対象は、つまりいまのドリーは、入浴以外、自分で乳房に触るのは基本的に禁止されていた。これは、ジャニスの発案で、ジャニス自身、調教期間の後期から自分に課していた。彼女によると、それを許してもらうと、快感に負けて自分で弄ってしまい、調教されている実感が薄れてしまうのだそうだ。あくまで他人に、つまり、
乳房おっぱいは調教士さまに揉みしだいてもらうことで、性感が高まるのですよ」
と。
「シャワーなど浴びていると、シャワーが当たったり自分で肌に手を滑らせているうちに、『ああっ、このまま自分で揉んでしまいたい‥‥!』という欲望が出てくるのです。でもそれはできない‥‥。でも、したい‥‥! 性感が高まってきて、もう、シャワールームで悶えそうになって‥‥。――そういう葛藤が、次に調教士さまに嬲られるときへの心の準備となるのです。うふふ」
 そのときの笑顔のジャニスの声が、わたしの印象に強く残っていた。
(そういうものなのだろうか‥‥)
 わたしは疑問を頭にめぐらせながらドアを開け、一気にシャワールーム内へと全身を滑らせた。標準重力のため、たちまち湯滴がドレッシングルームにも飛び散る。だが、構いはしない。
 外した透明の簡易式呼吸マスクを手に、目を丸くして驚いているドリーがいた。ジャニスの言う通りならば、いま、彼女の性感は高まっているはずだ。
 わたしはそのマスクを手に取ると、
「あっ、ちょ、ちょっと‥‥ル――」
 ドリーの赤みがかった裸身を引き寄せ、再びマスクをつけさせてやった。
 シャワールームには、ホースで壁内の呼吸装置とつながるこのようなマスクが、最低ひとつは常備されている。この重力でのシャワー浴での、勢いよく飛び散る湯滴が呼吸器に飛び込む事故の危険性を考えてのことだ。このわたしの部屋には、予備としてあとふたつ置かれているが、わたし自身は使わなくても大丈夫だという自信があった。
「――――‥‥!」
 くぐもったドリーの声を耳に、わたしは、自分よりずっと小さな彼女の身体をくるりと裏返し、腋からすべりこませた両手を、彼女の双乳にあてた。
「‥‥‥‥!」
 抗うドリーを抑えつつ、そのまま彼女の乳房を揉む。Nカップの重たいそれは思ったよりも固く、健康的な弾力を返してきた。ンー!‥‥というドリーのくぐもった声が、マスク越しに聞こえた。調教により、彼女の乳房は敏感になっているようだ。わたしは、彼女やジャニスの調教姿を思い浮かべた。あんなにもみだらな‥‥。わたしもああなるのだろうか‥‥。
 ンー、ンー!というドリーの声にならない嬌声を聞きつつ、わたしはしばし彼女の双乳を揉みまくった。固い。だが、わたしは握力も強い。揉みしだいているとそれらふたつの山は、彼女を意のままに操るコントローラーのように思えてきた。頂の可愛い蕾が、いわばスティックの先端だ。
 わたしよりははるかに小柄なドリーは、ンン‥‥ンン!と呻きながらも、次第に従順になってきた。可愛い。征服するとはこんな感じで、調教士あいつも、こんな悦楽を味わっているのだろうか‥‥。
 わたしは、わたしを慕う少女の乳房を弄び、満足感に浸りながら、さらに不埒なことを思い浮かべていた。わたし自身がこうして揉みしだかれること――もあるが、もっといけないことを‥‥。
(ジャ――いや、わたしが本当に揉みたいのは――‥‥!)
 不粋にもわたしは、ひとしきり揉みまくると、愛の言葉ひとつ口にせず、愛撫もそこそこに手を下に伸ばし、すぐにドリーの局所あそこに手を触れた。
「ほうら、脚を開くんだ」
 わたしは気がつくと、わたしを慕ってくれている少女に卑猥に命じていた。
「いやらしい子は、お仕置きしてやるぞ」
 ドリーのあそこは濡れていた。シャワーの湯適ではない。彼女の内部、奥からだった‥‥。
 ガッ――!
 そこで、目が醒めた。ドリーがわたしに、肘鉄を食らわせたのだ。わたしの力がゆるむと、彼女はマスクを引きちぎるように外し、体ごと振り返ると、わたしを見上げた。
「ルリアさまのバカッ!」
 そのドリーの泣き顔――これもシャワーではなく、濡れていた――に、わたしはハッと我に返ったのだった。
「す、すまん、ドリー。わ、わたしは一体なにを――‥‥」
 狼狽しながらわたしは、またハッとして叫んでいた。――ドリーの鼻口びこうが危険に晒されている!
「――マ、マスクをっ! ドリ‥‥!」
「こんな――こんな真似をなさらなくても、わたしは、わたしはルリアさまに、わたしのすべてを捧げますのに!」
 しかしドリーはそう泣き叫びながら、わたしの手からマスクをもぎ取り、逆にわたしの顔面に押しつけたかと思うと、同時にわたしの胸に頭を押しつけたのだった。
「ド、ドリー‥‥――」
 もつれあって壁にドンと背をつく。常には――少なくともわたしには見せたことのない激しさに、圧倒されていた。わたしは申し訳ない気持ちでいっぱいになり、そして、やはりドリーに、
「すまない、ドリー。頼む、マスクをつけてく――」
と、マスクをつけさせようとした。だが、ドリーはそれを拒否すると、手早くわたしの頭に手を回し、わたしにマスクをつけさせたのだった。仕方なくわたしは、カランに腕を伸ばし、湯勢を止めようとした。
 だが、ことはそれで終わらなかった。ドリーは再び、わたしの胸に顔を埋めたのだった。泣いているようだった。シャワーヘッドからは湯滴が出つづけていたが、この状態なら多少は安全だ。わたしはドリーを胸にかき抱いたまま、しばらくは彼女のしたいようにさせようと思った。だが――。
「あぅ! あっ、い、いかん、ドリー‥‥!」


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