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「突然行ったらびっくりするかなぁ〜」
鏡を見ながら髪をセットし、つい独り言を言ってしまった。
今日は土曜日。現在時刻は八時。お泊りセットと合鍵を鞄につめ、黒のジャケットを羽織り、ダメージのついたジーンズを履き、お気に入りのコンバースのスニーカーを履いて、電車で一時間の彼氏の家へ向かう。
いつもは前日にメールをするのだが、今日は驚かせる為に突然行く事にした。昨日は『土曜は用事があるから会えない』とちゃんとメールをしておいた。下準備は完璧だ。
彼の驚く顔を思い浮べながら、電車に乗ること一時間。目的の駅に到着。そこから彼の家まで徒歩で約十分。少しにやけながら足早に歩く。
バックから合鍵を取出し、ドアを開ける。
「えへへ。びっくりしたぁ〜?」
と言った瞬間、目に飛び込んできたのは、彼氏と見知らぬ女性が繋がったまま目を見開いてこっちを見る姿だった。
あきらかに二人は行為の最中だった。カーテンは閉めきり、薄暗い部屋。
彼氏の上にいた女性は慌てて彼から降り、ベットの脇に散らばる下着をつけ、数分前、もしかしたら数時間前に着ていたであろう肩だしのニットを素早く着て、ミニスカートを履いた。そしてこっちをちらちら見ながら、長い髪の毛先をいじりつつ、その場に正座した。
彼氏はというと、裸のままぼーっとあたしの方を見て動かない。きっと頭の中が真っ白なんだろう。
しばらく黙って二人を見ていたら、
「あ、あたし帰るね!!」
と見知らぬ女性が言いだした。そしてバックを手に取り、玄関で仁王立ちしているあたしの方へ足早に歩いてきた。


彼氏と寝た女をそのまま帰すわけがない。


あたしは女の髪をつかみ、床にたたきつける。悲鳴をあげるその女の首を絞めた。女は泣きじゃくり必死に抵抗し、あたしの腕をつかむ。しかしあたしは女の首に爪が食い込むほど、強く絞めた。しばらくするとあたしの腕をつかんでいた手がだらっと落ち、おとなしくなった。目は白目をむき、涙で化粧はぐちゃぐちゃだ。口からは泡をふいている。
あたしは鼻で笑いながら頭を蹴飛ばす。

そしてまだ現状が把握できないのだろうか、口を半開きにして間抜けな顔をしている彼氏のもとへゆっくりと歩く。
「お楽しみの時間を邪魔しちゃったかしらぁ?」
と笑みを浮かべながら嫌味を言う。
「お、おい!!こ、殺したのか!?お前っ…うっ!!」
布団をめくり完全に縮こまった彼のイチモツをつかむ。そして傍にあったはさみでありったけの力を入れて切る。
「ぎゃああぁ〜!!?おっお前っ、ふざけ、ちょ、まてよ、お前っ!!!」
やはりはさみではばっさり切る事ができなかった。途中で諦め、今度は、はさみを閉じてめった刺しにした。
大量の血が吹き出す。
「うぎゃああぁ!!も、もうやめてくれっ!!!いっ、痛い痛い!ひぃい!!」悲鳴をあげる彼氏をよそにあたしは尚もソレを刺し続けた。笑みを浮かべながら何度も何度も…。





ピピピピピッ。
携帯電話の目覚ましの音が鳴る。サブディスプレイをみると『3月14日(土)7:00』と出ていた。化粧をして身仕度をしたら、家を出るのは八時ぐらいになるだろう。
そう、今日は彼氏の家に突然行くのだ。もちろん夢と同じ黒のジャケットを着て。


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