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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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「綺麗だねー。」
「ホント。」

うっすらと蒼い夜空に、ポツポツと小さい光を放つ無数の星たち…。私と絆は拓海クンから聞いた小樽の公園で二人星を眺めている。

「こんな素敵な星空が見られる何て、拓海クンに感謝だね。」
「入院する前に良くお母さんと観に行ってたんだって。」
「へぇー。でも何か心配、体調も日に日に悪くなっているようで…。」

それは絆も後で知ったらしく、母親もこれまで以上に慎重になり、本人は「大丈夫」の一点ばりだが。

「大丈夫だよ、お母さんを一人置いて、天国に逝ったりするものか。」
「そう…だよね、うん、そーだそーだ。」

体が冷える、だが彼が横にいるとそんな事、大した苦には感じない。

絆は助かる…この前の力強い坂本サンへの説得。あれから坂本サンは医師に臓器提供を申し出て、絆の親に担当医とで、色々と打ち合わせ、そしてついに明日手術を行う事に。

「とっても痛いだろうけど、頑張ってね、泣くんじゃないよ。」
「おいおい、麻酔を打つに決まってるだろ?怖いから…。」
「見て見たいなぁー絆の体の中、写真に収めて部屋に飾って置きたい。」
「君って、時々おっかない事を言うよねー。」
「いや、きっと可愛いらしい臓器や胃腸なんだよ。」
「……なら、僕の髪をあげようか?鼻咬んだティッシュを差し上げようか?」
「そこまではいい、脱ぎたての服とかならいいけど。」
「……。」

バカな会話を。

「退院したら…、どうしよっかなぁー。」
「…まずは、学校に戻るんでしょ?。」
「まぁね、加藤クン達には迷惑を掛けた訳だし。」
「伊藤サンも加藤クンも、頑張ってるよ、後から入ってきた部員の面倒を見たり、コンクールに合宿に。」
「君も、そんな彼らに色々と手伝ってくれたみたいなんだってね、この前電話で聞いたよ
…ありがとう。」
「そりゃーまぁー、君の美術部ですもの、放って置けないじゃん。」

正直、彼の居ない美術部何てどうでもいいって思った事もあった、だが自然と体が勝手にあの部室へと足を運んでいて。

「親孝行もしたいなぁー、母さん達には苦労掛けたから、ラクさせてあげたいなぁ。」
「いずみちゃんも、君の事を想ってたよ、友達に自慢のお兄ちゃんだって…。」
「へぇー、いずみが、そっかぁー女優の夢、叶うといいなぁー。」
「彼女、中々才能ありまっせー、もしかしたらテレビに出るかも。」
「大きく出るなぁー、画家と女優…。」
「何時かドキュメンタリーで出るかもね、兄妹で。」
「そうだね、いずみが僕の美術展に来て、紹介するんだ兄とその嫁を。」
「!それって…、んもぅー確かにそうかもだけど。」
「そうかも…、じゃない、必ず、だよ?」
「絆……。」

彼は、一呼吸をし、私に視線を向け、口を静かに開けて、言う。

「手術して、完治して、退院して、君を養えるまでになったら、結婚しよう…。」
「!?」
「高校を卒業して、美大を出て、腕をあげにあげたら、美術展を創る、今はもうこの世にはいないけど、叔父さんと仲が良かった知り合いが僕の事を聞いて、美術展を建ててれるように色々とお膳立てしてくれるって、だから、もしその夢が叶ったら、杏…君を迎えに行くよ…。」
「絆…。」
「調子が、狂うんだよね…。いつも元気で明るい…、世界で一番大好きな子が、近くで笑っていてくれないと…。」

幸せな時間…、横顔を彼の腕にくっつけ。

「待ってる!ずっとずぅーと、私も、君の傍に居たい。」
「杏…、その時が来たら、幸せになろう、今度こそ、年老いても…ずっとずぅーと。」

今、見上げている光輝く夜空の星が、私と絆の幸せな未来を見つめているように見えた。


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