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愛しているから
【青春 恋愛小説】

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災い転じてまた災い!?-7

付き合うと色んな将来像を描くことがある。


来年、大学に進学して一人暮らしを始めて沙織と同棲同然にお泊まりを繰り返す甘いキャンパスライフとか、果ては結婚して二人の間に生まれた子の名前とか。


沙織といると、とにかく先のことまで妄想しがちになる俺。


だけど、その妄想が時に暴走して、あまり考えたくないことまで考えてしまうことがあった。


考えたくないけど別れる時のことだとか。


一旦そんな不吉なことが過れば、それはガムみたいにベッタリと俺の頭の中に張り付いてしまう。


剥がしても、綺麗に拭い去れないそれは、見たくもないから見ないフリ。


でも、ちょっとしたことで気になれば、その汚れは一気に広がってしまう。


例えば、沙織に他の男が告白したとか、ちょっかいだしてきたとか、そんな話を聞いた時。


……そして、沙織がナンパされた今この時も。


そうすると、考えたくないくせに、勝手に頭が嫌な未来を想像してしまうのだ。


沙織が他の男を好きになって、俺が振られてしまう、そんな未来を。


そんなネガティブ妄想が、俺の足を固まらせる。


それくらい沙織は魅力的で、俺は不甲斐ない、そんな事実を痛感してしまう。


だけど……。


「倫平! 倫平!」


ハッと気が付けば、こちらを振り返り、必死で俺の名前を呼ぶ沙織。


「沙織……」


震えた声は怖くて堪らないのだろう。


それでもなんとか声を振り絞って助けを求めている。


……沙織はこんなにも俺を呼んでいるじゃないか。


彼女がナンパされ、俺と沙織を似合わないって言われたくらいで、何をためらってる?


沙織は俺じゃなきゃダメなんだ。


沙織は俺が助けてやらなきゃダメなんだ!



少しずつ遠ざかる沙織の姿を引き留めるべく、俺はすうっと息を吸い込んだ。








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