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愛しているから
【青春 恋愛小説】

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災い転じてまた災い!?-1

毎度のことながら、欲望を放った後に襲ってくる罪悪感と虚無感はどうにかならないものか。


狭いトイレの個室で、弾んだ息に紛れて、ため息を一つ吐く。


精を放つまでは、頭ん中は昇りつめることしか考えてないくせに、いざ達してしまえば、後に残るのは後悔ばかり。


……沙織、変に思っただろうなあ。


しぼんだ風船みたいになってしまった俺は、なんとか最後の気力を振り絞り、後処理を済ませると、薄暗くて臭っせえ簡易トイレのドアを開けた。


白い砂浜のあまりの眩しさにクラクラ目眩がする。


そのまま俺は重い足を引きずりながら、簡易トイレの横にある水道で、手を洗い、頭を洗った。


水道の水はやけに冷たく感じたけれど、血が上った頭にはちょうどいい。


顔中水浸しになった俺は、気合いを入れるべくやや強めに自分の頬をペチペチ叩いた。


ここはもう汚名を返上していくしかない。


抜くものを抜いてすっきりした俺は、そう言い聞かせると、気を取り直して沙織の姿を探し始めた。


「沙織ー?」


先に行っててと言ったはずの海の家には、沙織の姿はなく、ビーチにも目をやるけれどそこにもいない。


どこに行ったんだと、歩いて来た道を何気なく見た俺は、そこで驚愕の目を見開いた。


俺がトイレに逃げるために、沙織を置き去りにした場所から、彼女は移動していなかった。


それなら、目を見開く必要なんてないのだけど。


ここから見える彼女の後ろ姿は、キュッと上がった小さなお尻がまたなんとも可愛くて。


気を取り直したなら、いつもの調子で彼女の名前を呼んで、手でも振りながら近づいて行けばよかったのだ。


だけど、俺にはそれか出来なかった。


なぜなら……。


「可愛いね、君。何歳? 女子コーセー?」


「友達と来たの?」


「おれら野郎ばかりで寂しいからさ、一緒に遊ぼうよ」


――彼女は見るからにチャラそうで、おまけに怖そうな男3人に囲まれていたのだから。




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