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女になった由美子
【その他 官能小説】

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女になった由美子-11

「いくっ」

 遠くの方で、博さんの声が、木霊のようにくぐもって鼓膜に響きます。
(私もよ、博さん私もよ)

 身体中が蕩けてしまって、声になりません。
 流れ出しそうな身体を、博さんの首に巻き付けた腕で支えます。
「あたし、溶けるっ」

 たがの外れた骨盤が、すっぽりと博さんに被さって、膣の中に博さんを吸い込んで…
「あたし、博さんを東京まで持って帰りたい」



13.
 機体を振るわせるエンジン音で、滑走路を離れ、急角度で上昇を続けています。
 眼下には、秋の夜空に銀星をちりばめたようなシドニーの夜景が、遠ざかって行きます。
 今別れたばかりの博さんが、無性に恋しい。

 最後の抱擁から、いまこうして成田行きフライトのシートに腰を下ろすまで、夢のようでした。
 通関の前では、人目を憚って軽く握手をして、微笑むはずの目は多分涙でくしゃくしゃになっていたに違いありません。

 機体が大きく旋回して、ぐんぐんと上昇して行きます。窓の外はもう真っ暗闇です。
 両手を身体に廻して力を込めると、数時間前の博さんの抱擁が、蘇って来ます。

 お尻の下が、じっとりとします。

 胸元まで毛布を掛け、そっと指先を差し入れます。
 ぬるりとした粘液が、指先に触れます。
 抜き出して鼻先に当てると、あの栗の花の様な匂いが、鼻孔にしのび込んできます。
 (博さんの精液だわ)

 目をつぶると、唇を開いて、舌の上に指を乗せます。
 唇を閉じて、指に舌を絡めます。
(今度、博さんにいつ逢えるのかしら)

 口に溜まった唾を、飲み下します。
(博さん)
 尻の下に、じわっとぬめりが、また降りてきます。
(博さん、あなたが欲しい、あなたの精液が飲みたいわ、今度ね、今度逢ったら、飲ませてね)

  (ごきげんよう)


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