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爛れる月面
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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3.広がる沙漠-21

「私の顔……、汚い?」
「き、汚くなんか無いっ」
「そうだよ。徹の出したのだもん。……汚くなんかない」
 精液をこびりつかせた顔で徹を覗きこんで、「私、徹の神様とかじゃない。女帝なんかじゃない」
「……クミちゃん」
「徹の奥さんになるんだもん。……自分の女を汚したなんて思ってほしくない」
 紅美子は床にまで這いつくばるように身をかがめると、徹の男茎に舌を押し当て、下から上になぞりあげた。誰かのとは舌触りが違う、そんな思いを必死に打ち消しながら、徹を愛しんだ。
「ああっ……、ク、クミちゃん……。ああっ」
 足を広げて尻もちをついたまま、徹は狂おしく紅美子の頭を両手で撫でた。先端から口内に含んでいくと、まだ尿道に残っていた残滓が口の中へ溢れ飛んでくる。
「クミちゃんっ……、うぁあっ……、ク、クミちゃんっ……」
 徹の太ももがわななく。ジュルッと意図的に立てた卑猥な音を聞かせて、何度も吸い上げると、
「クミちゃんっ……どおして? ……そんなっ……」
 徹が物狂おしい声を上げた。亀頭の先端にネットリとキスをした後、粘液の糸引いて顔を上げると徹が涙声で問う。「どうして、こんなこと……、できるの……」
「ん? ……気持ちいい?」
 顔を下げ、唇から唾液を亀頭に垂らし落として潤いを追加して、更に強く音を立てて扱いた。
「気持ちいいっ……。……でも、こ、こんな……、気持ちいいの、どおして……」
「……何でできるんだろうね?」
 徹の疑義には答えず、紅美子はもう一度唇を男茎に押し付け、頬を窄めて吸いつつ含んでいった。誰に対してか分からない激しい嫉妬に悶絶しながら徹は不安に満ちた声で何度も紅美子の名前を呼んだ。しかし紅美子の舌と唾液に翻弄される男茎は震えながら紅美子の口の中で根元から一気にせり上がってきて、
「ああっ!!」
 徹が大声を上げて紅美子の口内に早々と二度目の歓喜を放出した。惰性が働いているかのように紅美子は頭を上下させ続けて徐々に速度を緩めていくと、唾液の撥ねる音を聞かせて唇から抜き、徹の目の前で口の中に溜まった粘液を飲み込んてみせた。
「そんなに嫉妬しないで」身を起こした紅美子はまだ喉に絡みつく粘液で声を濁らせて言った。「徹に気持ちよくなって欲しくて、してるの。それくらい分かってよ」
「クミちゃん……」
「愛を感じてくれた?」
 紅美子は笑った。ホテルの部屋に入ったばかりの場所で、床の上に徹は尻もちを付き、紅美子はへたり込むように座っていた。
「ベッド使わなきゃ、もったいないね」


 紅美子は両手を上げて仰向けにベッドに横たわっている徹に覆い被さり、舌を伸ばして乳首を突ついた。逆の乳首は、先で垂らしておいた唾液で痛みを緩和させるも引っ掻くようにネイルの先で弄っている。乳暈を輪を描いてなぞる度に徹が身悶える姿が愛おしい。紅美子に上半身を舐めまわされ、しかしそこだけはなかなか触れずに充分に時間をかけての戯弄だったから、徹の乳首は触れた時には鋭敏に研ぎ澄まされていた。そして二度放出したにも関わらす、反り返って脈打つ男茎には、ベッドに入ってからは全く触れていなかった。先ほど紅美子の指や舌に慈しまれる悦びを知ってしまっただけに、一層焦らされる形になってずっと紅美子に触れられるのを待っている。
 ベッドに寝転ばせると、紅美子は徹が触れて来るのを禁じた。両手を頭の上に上げて、もし枕から手を離したら終わりにすると命じた。物理的な拘束ではないのに、徹は紅美子の言葉を従順に守って、両手をずっと頭の上に掲げたままだ。
「キスマーク、ついちゃった」
 徹の喉元に吸い付いた際、強く吸引して肌を充血させて痕を残した。どんな服を着ても見えてしまう位置だった。「もっとしていい?」
「ううっ……、も、もう無理だよ……」
「どうして?」紅美子が爪を乳首に強く立てると、徹は悶えて先走りの粘液を先端からこぼした。「見られたら困るオンナでもいる?」
 紅美子は自分で言いながら、語気が荒いできて、
「だとしたら、絶対許さない」
 更に強く徹の乳首に爪をめりこませた。
「んぐっ!! ……ち、ちがうよっ。キ、キスマークじゃなくてっ……、も、もうガマンできないっ」
「また出しちゃうの?」
「だって……」
「いいよ」
 徹の脇の下に両側に手を付いて、真上から見下ろした。垂れ落ちた髪の先で徹の鼻先を擽る。「どうしたい?」
「ク、クミちゃんと繋がりたい……」
「それはだめ」
 必死の目で乞う徹を、紅美子は恬淡と却下した。「まーだ」
「だ、だって」
「挿れる以外で、どうやって出したいか言って」
「さ、さ、触って」


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