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爛れる月面
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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2.湿りの海-12

「返そう」
「……あ、……あ……」
 左手の薬指にリングが通されて根元までしっかりと嵌められていく。「やだ……、なんでよ? ……なんで、今……、返すのよっ、もうやだっ……!」
 自己嫌悪に狂いそうになった。薬指が締め付けられ灼け落ちてしまう錯覚すら襲ってくる。涙を頬に滴らせる紅美子の腰をしっかりと掴んで、強い打突を加えた井上が、
「ほら、そろそろだろ? オマンコがイキたがってる」
 と紅美子の全身を猛然と揺すってきた。苦悶と快楽が揺れる体の中で織り交ざっていく。
「やっ……、ああっ……、と、徹っ……」
 思わず呼んではいけない名前を口走ってしまった。その瞬間、紅美子の体が暴発するように貪欲に快楽を求め始める。
「明日も会おう。……僕と寝れば、こんなに気持ちよくなれる。そうだろ?」
「イヤよっ……、そんなのっ……」
「明日もイヤラしいセックスを教えてやるって言ってるんだ」
 部屋に入った時は、変態男の馬鹿げた妄想だと思っていた。だが今こうして絶頂の直前で言われると、まだ深みがあるのかもしれないという思いが湧いてきて、不吉な雲が徹の顔を隠し覆ってくるから、慌てて紅美子は吹き払おうとした。井上が力強く紅美子を抱きしめると、敏感に勃った乳首に唇わ押し付け歯を立ててきた。徹は絶対にしない荒っぽい扱いが紅美子の脳髄を朦朧とさせていく。硬い亀頭は紅美子のドロドロに解きほぐした内部を強く抉ってきていた。
「うっ……、あっ……」
 噛んで引っ張っていた乳首を離すと、もう一度井上が紅美子を見上げる。
「会ってくれるだろ? いいね?」
「……う、く……」
 井上はそのまま紅美子を後ろに押し倒した。強く抱きしめ腰を淀みなく前後させながら紅美子の唇を吸い上げ、音を立てて舌をしゃぶってくる。
「んんっ……、ぁ……」
 キスをされて思わず井上の背中に手を回してしがみついていた。
「……ちゃんと理由を考えておけ」
「ん……、……え? ……ああうっ……」
「さっきから君のバッグの中で携帯が震えっぱなしだ。二日連続で連絡せずに他の男とセックスしてたんじゃ、徹くんに疑われるだろ?」
「……!」
「明日もセックスするための理由も考えておけ」
「うっ……、……っく、さ、最低……」
 舌が近づく度に唾液を溢れさせて受け入れ、バストを揉みしだかれ乳首を引っ張られると背を捩り、出し挿れされる男茎を強く締め付けながらも、紅美子は目の前の男の顔を睨みつけていた。
「たまらない顔だ。……メチャクチャにしてやりたくなる」
 息を乱してはいても不遜の表情を浮かべた井上は、「憎い? 僕が」
「死んでほしい。……っ……んんっ……、私をこんなふうにして」
「素晴らしいね。徹くんとの二十年は偉大だな。徹くんに謝ってあげなきゃ」
「私は、……、わるく、ないっ……」
 だが井上が紅美子の肩をがっちり掴み、強い打突を連続で送り込んでくると、「あうぁっ……!! いつか、こ、殺してやるからっ……!!」
「いいね、君に殺されたらきっと最高だろう。……ほら、イクんだ……」
 井上に抱きしめられ、紅美子は部屋中に咆哮を響かせて仰け反った。


 喉の奥まで吸われてしまいそうなキスをされ、身を抱えて起こされると、入れ替わるように井上が仰向けに寝転がる。手を引かれるままに体を跨がされ、美しいクビレを撫で上げられた。
「ほら、今日もしてみろ」
 手に勃起を握らされる。
 今日で五日目だった。もう酒を飲まされて前後不覚になったわけでも、指輪を奪われて取り返しに来ざるをえなくなったわけでもない。指輪を取り返しに来た日、紅美子は日付が変わるまで井上に抱かれ続け、数え切れない絶頂を味わされた。そして井上はその間に三度も紅美子の中に劣情を放った。徹にも許してこなかった場所に、井上の熱い体液を注がれたのだ。しかし避妊が施されていない、肌身の男茎に擦られると、想像だにしなかった快感に身が震えた。それが三度、身にすりこまれると、たとえ井上に解放されて帰路についても、芳醇な感覚が下腹部に長く渦巻いていた。
 紅美子は膝立ちになって、片手を井上の胸に付くと、自分の下腹部を覗きこむようにして、井上の男茎を上に向け、自分の門に擦り付けた。
「また……、これするの?」
「なんだ? 恥ずかしいのか? ……馬乗りで犯されるの好きだろ、君は」
「わ、私が好きなわけじゃないっ……」
 睨みを向けた紅美子を、井上は冷酷な目で見つめてくる。
「徹くんが好きなんだろ? 君に跨ってもらうのが。君としてたらだいたい分かる。……だから練習させてやってるんじゃないか。もっと徹くんとイヤラしくできるために」と薄笑みを浮かべながら言ってから、急に真顔になって、「挿れろ」


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