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バルディス魔淫伝
【ファンタジー 官能小説】

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拾われて飼われました 後編-9

アレーナは、エミリア・エルドに転生した。
エミリア・エルドはフェルナンデスに大アルギルス王国の未来について語った。
エミリア・エルドはフェルナンデスの知らない未来では、アレーナとしての人生を過ごしたこと、ガルシーダの街にバラン・ジョルジオが現れて処刑されることになった経緯を克明に語ったのである。
エミリア・エルドの母親ローラはシェリー・ボレルの前世であった。
フェルナンデスの愛人ローラはフェルナンデスが前世では海賊ギル・セイバーであり、後世ではジェフとして生まれかわることを娘のエミリア・エルドから聞いたのである。
ローラは後世、シェリー・ボレルとして転生した。
自分が土神ツァトゥグアから前世がローラであったこと、再び海賊ギル・セイバーでありフェルナンデスである男を召喚したことを教えられた。
アレーナはディルバスに殺害されたことでエミリア・エルドと完全に融合した。
ガルシーダの若き女領主アレーナに対する思いが恋だとシェリー・ボレルは思っていたが、同時に母親としての愛情の記憶が隠されていたと理解できた。
メリル・ストリが大厄災の時代と群雄割拠の時代の間の時代から、いにしえの神イタカの風で大厄災の過去に渡り、現在の王都にいて、海賊ギル・セイバーがいた時代の人物の前世の記憶を持つことを聞いて、シェリー・ボレルはエルド家の女領主ローラであったことや、土神ツァトゥグアと会ったことを話した。
シェリー・ボレルをメリル・ストリはハスターの子にして、王女エルシーヌの側近である少年に会わせた。
「あなたが、ギルの保護者なんだね。シェリー・ボレル、ガルシーダの街の領主にギルを任命するとして、その補佐を頼みたい、引き受けてくれないかな。もちろんギルを婿にしてボレル家の後継者にしてもいいと思う。浮気癖があるけど」
「今のガルシーダの領主はどうなりますか?」
「あなたの大切なアレーナをディルバスの言いなりになって信者たちの慰み者にして、一緒にアレーナを犯した男だから、処分はあなたに任せる」
「蜘蛛神の信者たちはどうするおつもりですか?」
「何をしてもアトラク=ナクアの異世界渡りはもうできないから、問題ないよ。信者でも治療できる者は聖騎士団が保護することにしよう」
「あの人はきっと領主になれば反乱ぐらい起こしかねませんけど」
「しばらくすればギルも王都に来るだろうから、それまでに考えておいてほしい」
王城で謁見を終えたシェリー・ボレルは故郷のゴーツウットの街に、手紙を届けてもらえるように頼んだ。
王女エルシーヌは偽りの父親ダリウスは蜘蛛神の信者だったことにした。邪教の信者であることを隠すために利用されたことに話をすりかえた。したがって母親ナターシャは正式には結婚していないことになった。
またハルドラーンとナターシャが結婚式の当日にかけおちしていたことも都合がよかった。
ナターシャが兄弟と肉体関係を持ってシェリー・ボレルを生んだわけではないこと、シェリー・ボレルが生まれてから館に連れて来られたことを認められたのである。
シェリー・ボレルは、もうハルドラーンとナターシャの子であることを、隠さず公表することができるようにしたのである。
故郷のゴーツウットの街では領主ハルドラーンと母親ナターシャの婚儀が王都から派遣された神官によって行われた。
もしシェリー・ボレルとジェフの間に子供が生まれたらゴーツウットはその子が継承することになる。
「メリル・ストリ、蛇人ラミアはクトゥルフの眷族の魔物だからね。ラミアと融合するとたしかに過去と同じ力も得られるかもしれない。でも、代償でクトゥルフの支配する世界に転生することになる」
ハスターの寵愛を受けている少年とは別の時代にメリル・ストリが生まれた理由はそれであった。
海神クトゥルフは、かつて人魚や猫又キヨマサがいたルルイエ神殿で眠りについている。
クトゥルフはニャルラトホテプの化身を追ってガーバリムを召喚して襲いかかった。ガーバリムをルルイエ神殿に少年とウルタールの猫族神官である猫又のキヨマサが作った結界でに眠りにつかせた。
いにしえの神々は、自分たちがいる高次元の世界や世界の狭間から直接は関与できない。それはクトゥルフやハスターも同じである。
ガーバリムが眠りに落ちたことでクトゥルフはより深い眠りに落ちた。
神々は眠ったり起きたりを繰り返しており、寝ている間の夢からそれぞれの力に応じて世界へ関与しているのである。
「たしかに過去の力は魅力的だけど、昔みたいに御主人様と二人で暮らしたいの……旅に出る前みたいに」
過去にハスターの加護と寵愛を受けた少年はニャルラトホテプ召喚儀式で贄にされかけた王女と旅立った。
それまでは前世のメリル・ストリが、少年の作ったダンジョンで少年を「御主人様」と呼び睦まじく暮らしていた。
宝物を略奪にくるトレジャーハンターたちを殺害したり、少年が魔道の研究をかねて罠の作成や魔物の召喚をしたりしていた。
ラミアの毒で死にかけた女盗賊を少年はラミアと融合することで命を助けた。
少年がダンジョンを留守にしている間に、ニャルラトホテプ召喚儀式として王子と王女を交わらせて生まれさせる儀式であったが、少年魔道師が阻止。
妹を欲情して求める呪いにかかった王子がダンジョンに残された。その王子が、ガーバリムに変化してしまい、前世のメリル・ストリはガーバリムの犠牲となり命を落とした。
古代の帝国カナンは、呪術によってニャルラトホテプの力を身につけた子に王の地位を継承し続けていた。
ハスターの寵愛を受けた少年に儀式を妨害され、火神クトゥグアから逃れたガーヴィがガーバリムの腹の中で召喚されたのである。
ガーヴィが現在の世界へ帰還したのでニャルラトホテプの化身がいなくなり、世界はディルバスが関与するまでクトゥルフの眷族であるリザードマン族が帝国を築くまでに数を増やし、クトゥルフ信仰による魔法技術文明を発展させながら繁栄した。


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