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不貞の代償
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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発覚2-5

 奈津子の告白を聞いたときの佐伯のショックや心情を察するに余りある。全てを失う覚悟で奈津子は話したのだろう。
「あの日、出張の日、家の近くにいたあなたを見て妙だなと思った。こともあろうにわたしの家にずかずかとあがり込んで妻と……」
 佐伯からあなたと呼ばれ、他人事のような気がした。悔しげに唇を噛んでいた佐伯が、はっとしたような顔をした。
「まさか、出張も偽装なのか!」
 バンとテーブルをたたいて声を荒げた。佐伯の怒号も初めて聞く。全て正直に答えるつもりだ。田倉はうなずいた。
「とても信じられない。妻と会うために地位まで利用して……なんて卑劣な人間だ! よくも平気な顔で今まで、そのうえ……」いったん言葉を止め、「あんな……あんな、いやらしい下着まで……」と続けた。奈津子から聞いたか、それを見つけたのだろう。
「あれは、何なんだ」
 吐き捨てるように言って、顔を背けた。うなずいてもわからないので「わたしの前で着せた」と答えた。
「何という……」
 嘆かわしそうに首を振る。続いて上気したような顔で「穴があいたのもあった」と続けた。
「わたしがプレゼントした」
「あれを、どう、使ったんだ! 答えろ!」
 再び怒号。ずっと気になっていたのだろう。佐伯の顔は真っ赤になっている。奈津子には聞けなかったのだ。
「あれもわたしの前で穿かせて……」少し躊躇して「そのまま抱いた」と答える。
「つ、妻をそういう風に扱っていたのか」
 佐伯の目は赤く充血していた。泣くのだろうか。
「密室での出来事だが、どう思われても仕方がないと思っている」
 佐伯はまた、はっとした表情を見せた。話しているうち、いろいろと思い当たることがあるのだろう。
「あの日、まさか……あなたが急に終業前に帰った日、わたしがあなたの携帯に電話をした日だ。息があがっていたのは……妻とその……」
「彼女とセックスをしていた」
 佐伯の言葉を遮った。怒った相手を目の前にすると理由はどうあれ、受ける方も頭に血がのぼるものだ。どう伝えようかと思ったがストレートに言ってしまった。だが奈津子の方から抱いて欲しいと連絡があったことは言わなかった。
「荷物を運んでいるなどと、嘘を……妻を抱きながらわたしと電話をすることで優越感を味わおうとしたわけか。それともコキュをあざ笑うためだったのか。妻と行為をしながらわたしを肴にしていたんだ。狂っている。あなたは狂っている。いや、妻もだ!」
 テーブルを叩いて立ち上がった。
「その件については彼女は全く知らないことだ。全てわたしの独りよがりだ。彼女はわたしに従っているだけだ。恥ずべき行為ではあると思っている」
 佐伯の言った内容は一番の理由ではないが、そういうことにしておいた。
「どっちでも同じだろう。人間のクズには変わりはない」
「これだけは言っておきたいのだが、わたしは彼女を心から愛している。彼女もわたしのことを愛してくれている」
「ばかなことを言うな、俺の妻だ!」
「そうでなければあれほどの回数、わたしに抱かれないだろう。その回数もさることながら、密度はわたしの方が断然ある。断言しても言い。彼女の体の変化には気づいているだろう? 全てわたしの指導によるものだ。全てを隠さず言う。その方がいいのだろう?」
 立ったまま握り拳を作っている。佐伯は歯を食いしばっていた。もう、止まらない。
「彼女とのデートは、もちろん食事もしたが、そのあとは必ずホテルに行く。それが逢う理由だからだ。彼女に性の悦びを教えたのはわたしだ。さまざまなことを教えた。わたしを悦ばせたい一心で彼女は全てを受け入れた。一生懸命わたしに奉仕した。彼女は自分の全てをわたしに捧げたんだ。そう、全てだ」
「もういい、やめろ!」
 佐伯の目は潤んでいた。売り言葉に買い言葉の部分もあった。言い過ぎたことは分かっている。
「あなたがこんな男だったとは……心底失望した。あなたを尊敬していたわたしはいったい何だったんだ」
 そう言い捨て、佐伯は出て行った。最後は涙声だった。
 戻るとフロアに佐伯の姿はなかった。石橋は視線を合わせようとはしなかった。沼田は眠たげな目をこちらに向けた。口元にはかすかな笑みがある。部長室に戻ると沙也加が「佐伯係長はご自宅の用事で早退されました」と憂いのある表情で告げた。


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