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不貞の代償
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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発覚2-4

 数日後、部長室にノックもせずに険しい表情の佐伯が入ってきた。「話があるのですが」と告げ、「第二会議室で」と背を見せたまま言い放った。初めて聞く佐伯の低い声。沙也加が唇をかみしめてうつむいていた。全てを察した表情だ。ずっと危惧していたのは知っている。
 田倉が会議室に入っても、佐伯は三白眼を向けたまま椅子から立ち上がろうとはしない。向かい側に座るとさらに強い視線を当ててきた。眉間にしわのある表情を見るのも始めてだ。田倉はできるだけ穏やかな目になるよう勤めた。
「ふん、すでに察しがついているのに、どんなときでも堂々としてさすがですね」
 佐伯の顔が引きつっている。この男がこれほどの怒りをあらわにするのは初めてのことだろう。人を憎むことができない人間だと思っていた。
「恐らく生涯なかったはずの心火を生じさせることになってしまい、心から申し訳ないと思っている」
 佐伯は口を半開きにして眉をひそめている。
「君に大変なダメージを与えてしまった。申し訳ない」
 言い直して頭をさげる。
「意味くらいわかりますよ」と怒気を含んだ声。
「人として恥ずかしくないのですか? ご自分がそういう仕打ちをされたらどう思いますか?」
「申し訳ない」
 ひたすら謝るしかない。悪いのはこちらだ。
「説明していただけますか」
「君に説明を?」
「当たり前じゃないですか。人の妻を寝取っておいて!」
 佐伯の声が裏返る。佐伯の心情を考えると胸が痛い。しかしそのことは今までも考えた。末、道理に反する行為を行なってきたのだ。関係の修復は不可能だろう。仕事への影響が心配だが自分でまいた種だ。それを刈り取るというより火に油を注ぐことになるが説明しなければならない。
「初めて出会ったのは君も覚えていると思うが……」
 あの日、出会い頭に奈津子とぶつかり、シャツに口紅をつけてしまったお詫びに遊園地に誘われ、今度は田倉の方から食事に誘いやがては深い関係になった。その後のことも時系列に説明した。佐伯はにらみつけるように田倉を見つめていた。「いつ、どこで」といった質問にも田倉は幾つかのホテル名や場所、時間等をできる限り正直に話した。営業の出先でも逢ったことも告げたが怒りの表情に変化はなかった。おおよそは奈津子から聞いているのだろう。


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