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逃亡
【その他 官能小説】

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逃亡-27

瑞紀は、何か言いかけたが、言葉にできないまま真っ赤になって俯いている。
「さあ、何が欲しいのか、早く言わないと、他のお客さんも待ってるぞ。」
 たしかに瑞紀の後ろにも客がおり、セクシーなラインを描くヒップに見とれている。緋村に促されて、やっとのことで瑞紀は言った。
「コ、コンドームありますか…」
「あ、はい、コンドームですね。」
 桜田にしてみれば緊張のあまり大声になってしまったのだが、シーンとした店内にその声が異様に大きく響いた。一層恥ずかしくなったらしく、瑞紀はますます顔を赤らめる。
 桜田がレジカウンターの下からコンドームを一箱取り出すと、緋村が瑞紀の耳元で何か囁いた。瑞紀が意を決したように桜田に向かって言う。
「それと、イ、イチジク浣腸ありますか。」
「はい、イチジク浣腸も置いてますよ。」
 桜田がまた大声で復唱するのを恨めしそうな目で見てから、瑞紀は蚊の鳴くような声で言った。
「コンドームとイチジク浣腸…、お店にあるだけ全部ください…」
 桜田の脳裏に昨日テレビで見た瑞紀の陵辱シーンがくっきりと浮かんだ。中継を見ていた者は、それらがどう使われるか、容易に想像できる。他の客も同様だった。
「全部で五万三千円です。」
 コンドームと浣腸の詰まった大きな段ボール箱をカウンターの上に乗せて、桜田が言う。緋村が瑞紀に黒い革製の財布を渡した。
「おや、一万円足りないようだ。」
 瑞紀が財布の中身を数えるのを見て、緋村が言った。
「PFFTは政治団体だ。強盗のまねごとをするわけにはいかない。」
 そこで、少し間を置いた。わざと困ったような顔をして見せる。そして、ニヤリと笑って、店の客たちに向かって言った。
「そうだ。ここにいる誰かに、瑞紀の身体を触ってもらい、その料金をいただいて、足りない分を払うことにしよう。」
「えっ!」
 瑞紀が絶句する。
 晒したままの白い乳房が揺れるのが桜田の目に入った。瑞紀が身体をいじられ、身悶えする姿を想像し、桜田は思わず生唾を飲み込んだ。いつの間にかズボンの前が痛いほどふくらんでいる。
「誰か、触ってくれる者はいないか?」
 しかし、誰も名乗りでない。二、三人いた女性客は俯き、男性客はお互いに顔を見合わせている。
「誰もいないとなればしかたない。店長に触ってもらって、代金をまけてもらうしかないな。店長、そういうことでいいかな?」
 口調こそ柔らかいものの、これは脅迫である。嫌だと言ってみてもしかたない。それに、正直言うと、瑞紀の肌に触れてみたいという欲望が、桜田の中にムラムラとわき起こっている。他の男達も自らは名乗りでなかったが、指名されれば断らなかったに違いない。
「それで結構です。」
 桜田が答えると、緋村はニヤリと笑った。冷酷で、そして卑猥な笑みだ。
「よし決まった。瑞紀、店長に胸を触ってもらうんだ。」
 緋村に指示されて、瑞紀は震える手で桜田の両手を掴み、自分の乳房に導いた。 裾野から膨らみを持ち上げるようにして、乳房の弾力を味ってみる。掌の中に柔らかな感触と胸の鼓動が伝わってくる。桜田も興奮し、心臓の鼓動が速まってきた。
乳房を揉んでいると、ピンクの乳首が硬くなってきた。
「おやおや、瑞紀、もう乳首が立ってるぞ。」
 緋村が恥ずかしい指摘をすると、瑞紀は黙ったまま目を閉じてキュウと唇を噛みしめた。羞恥に耐えるその表情にそそられた桜田は、乳暈から持ち上がったピンクの突起をさらに指先で転がし、クニクニと揉み込んだ。
「ああぁ…」
 執拗に乳肌を愛撫され、乳首をいじられて、耐えきれなくなった瑞紀が声を洩らした。ヒップが誘うように自然に揺れ動く。
「おや、もうよがってるのか。昨日一晩モーテルで可愛がってやっただけで、すっかりいやらしい身体になったようだな。」
 緋村が追い打ちをかける。肩にかかるサラサラの髪を乱し、瑞紀は羞じらうように横を向いた。緋村は瑞紀の手を掴んで、彼女の股間を触らせた。
「どうだ。ここも濡れてるんじゃないか。」
 桜田の愛撫のせいか、それとも恥ずかしい買い物が彼女の身体に微妙な影響を与えたのか、そこはしっとりと潤っていた。
 その間、桜田は乳房を揉んでいた手を背中に回して撫でていた。瑞紀の肌は暖かくなめらかで、シルクのような感触だった。なだらかな曲線に沿って丸みを帯びた臀部にたどり着き、夢中でそこを撫で回している。
「店長も触ってみたまえ。」
 桜田は腕を滑らせ、瑞紀の下腹部を股間をさぐった。反射的に両腿をよじり合わせようとした彼女の尻を、緋村がピシリと叩いた。
「きゃっ!」
「お金が足りないんだぞ。ちゃんと触ってもらわないとダメじゃないか。」
 あたかもそれが瑞紀の責任であるかのように緋村が言う。
 桜田の指が陰裂に入ってきた。瑞紀はじっと我慢して、されるがままになっている。
「どうだ。恥ずかしい汁でヌルヌルしてるんじゃないか。」
 桜田の指が花弁を押し広げては、トロトロと溢れる愛液をすくっている。
「はい。ビショビショに濡れてます。」
 正直に答える桜田の返事に、瑞紀は消えて無くなりたいくらいの恥ずかしさを感じた。


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