明星ロマン-15
ふと、青臭い感覚が彼の下半身をおそった。いよいよ射精するかもしれない。
「出る……」
室井は呻き声を吐き出した。ぎらぎらした目つきをして、中に出すことを仄めかすと、いいよ、と彼女の目が応じる。
生身の肉体が交わっているのだから、それなりの覚悟はできているのだろう。
それならば遠慮はしない──室井は足腰を踏ん張り、なけなしの精力を振り絞った。
がつん、とはじけるような快感が何度も押し寄せてくる。
「んもう、いっちゃう……」
久野志織が先に上り詰めようとしている。そこへ室井がタイミングを合わせにいく。
絶頂に向かう道のりを噛み締めながら、彼女と一夜を共にしたという証を貪った。
陰茎の冠が粘膜を通過するたびに、我慢を超えた気持ち良さがせり上がってくる。
もうだめだ──室井は自分自身に従った。
自慰、性交、月経、排卵、そして受精、それらすべてを営むその体内に、熱い精液が注ぎ込まれていく。
どくどくと脈打つ己を実感する室井。同時に膣に圧迫され、視線を上げていくと、オーガズムを果たした彼女の顔があった。
おとなしそうに見えるこの子とセックスをしたんだ──室井は彼女の全身をまじまじと眺めた。
快感の残り火が肌のあちこちでくすぶっているように見えた。