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僕をソノ気にさせる
【教師 官能小説】

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僕をソノ気にさせる-33

 杏奈は慄然とした。穢れのなかった優也の瞳が淫欲に負けて燻んでいた。神聖な光が瞳の中から消え入りそうになっている。それを奪っているのは、誰でもない自分だった。そして優也は悪魔的な快楽に引きずり込まれそうになっても、その自分を聖女と信じて救けを求め、縋ってきていた。
 智樹の裏切りを問い詰めもせず、優也を使って沈鬱を満たそうとしている、自分のほうが忌避すべき裏切り者なのだ。
 杏奈は優也を抱きしめ、耳元で、ごめんね、と囁いた。
「先生……?」
「ごめんね」
 杏奈は優也の顔を見やると、唇を一瞬交わして、もう一度言った。そしてその場にしゃがみ、足場に凭れた優也の腰に両手を添えると、ジャージと下着を引き下ろした。衣服の擦れる感触に、切羽詰まっていた優也が崩落を必死に耐えしのぐと、薄闇の中に色白の硬直が杏奈の顔の前に跳ね上がった。
「これで、我慢して……? ね?」
 指を添えると、優也の幹がビクビクと激しく震えた。トロリとした雫が指に垂れてくる。優也のその場所は、雄の形に至らず未熟な姿だった。こんな無垢な物を自分の邪淫の祠へ埋め、穢してしまいたくなかった。
「優くん、こっち見たらダメ……」
 だが同時に、これを誰にも渡したくなかった。杏奈が背を伸ばして頭を擡げ、先端から覆い含んだ刹那に、優也が切ない声を出して畢竟の証を口の中に迸らせてきた。杏奈も口の中に広がっていく匂いと味に、ワンピースの中で身を収縮させて、脚の付け根の奥を襲う初めての感覚に髪を揺らした。





 杏奈は東京にも何店舗かあるショップで秋物のスカートを選んでいた。横浜の街の中心にあるショップビルは平日だけに空いていた。距離的に近すぎて敢えて帰ってくる機会がなかなか作れず、地元に帰ったのは久々だった。
 家庭教師を始めるまではあまり身につけて来なかった、フェミニンなシフォンスカートだった。体の前に当てて鏡に映していると、
「長さ、気になりますかぁ?」
 と店員が尋ねてきた。
「ええ、ちょっと……」
「もうちょっと丈があるほうがよいです? こっちのほうだともう少し長いんですけど……、ラインが開き気味で、フリフリとしてるから、そちらに比べると、可愛らしい感じになりますぅ」
 店員が別のスカートを差し出してくる。
(私、すぐ脚組んじゃうからなぁ……)
 膝頭が出るか、半分隠れるかの違いしか無い。交互に合わせて鏡に映った自分を眺めた。
 家庭教師で優也と会う度にキスをして帰ってくるようになっていた。しかもお互い舌を差し出して絡め舐め合うキスだ。こんなことばかりしていてはいけない、杏奈はそう思うのだが、部屋を訪れて、優也の顔を見てしまうと、簡単に決心が揺らいでしまう。
 優也は勉強中は真面目に取り組んでいる。だが休憩時間になるとすぐに顔を近づけてきた。杏奈は窘めつつも、顔を背けることはできなかった。続けていると止まらなくなるから、時計の針が休憩時間の終了を指すと、決死の覚悟で優也へ勉強の再開を告げる。後半が始まるとやはり優也はキスのことなどおくびにも出さずに勉強する。優也が問題を解くのを待っている間、杏奈は真剣に考える優也を見ながら、邪な心が湧いてくるのを抑えるのに腐心した。指導の質は落とすわけにはいかない。だが心の奥底で勉強時間が終わってくれないか待ち遠しい気持ちが拭えなかった。
 やっとのことで時間が経つ。舌を絡め合う。優也は杏奈の体を擦り、脚が緩むと奥を触ってきた。声を押し殺し、祖母が不審に思わないギリギリの時間まで、しっとりと濡れた場所を優也に癒してもらう。優也のズボンの中が硬直しているのは知っている。だが軽井沢でのように口で導くのは、優也の部屋の中ではあまりに危険だった。祖母に見つかってしまう危惧だけではない。そんなことをしてしまったら、きっと優也と繋がってしまいたい衝動を抑えきれなくなる。
 鏡に映しながら、これを着て優也に脚を抱えられて膝を開いている自分の姿を想像していることに気づいた。そもそも家庭教師の時に着る服をパンツスタイルではなくスカートありきで考えている――。そんな不埒な思いまで鏡に映ってしまいそうで、店員のセールストークに適当な返事をして、結局両方とも購入した。
(優くんと一緒に来て、選んでもらったら楽しいだろうな……)
 代金を払って包装を待っている間にも空想してしまう。きっと優也は「両方似合うよ」と言うだろう。その時の優也の様子が有々と想像できて笑みがこぼれそうになる。
(なんだこれ……、乙女か、私)
 自嘲気味に突っ込まなければ、商品を受け取る時に店員にニヤけた顔を見られてしまいかねなかった。
 横浜の街を歩いていても、優也のことが頭を離れて行かなかった。優也と同じ年代、恋愛を中心にしか物事を考えられない時分に戻ったかのようだ。だが一方で、頭の中に蔓延るこの想念は、そんな清純な恋沙汰ではない、もっと邪淫に満ちたものだともわかっていた。


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