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痴漢専用車両へようこそ
【痴漢/痴女 官能小説】

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修羅場の後始末-8

「やめろおお!」

「ぎゃああ、やめてやめてええええ!」

田代が怒鳴り、啓太が泣き叫けびながら自分の薬指を握る星司に懇願した。

「お前達は今まで『やめて』と言われて、やめた事があるのか?」

ポキッ!

啓太の薬指の骨を折りながら星司は聞いた。

「ぐごおおおおおおお」

啓太は新たな痛みで泣き叫ぶばかりで、それに答える余裕は無かった。

顔色一つ変えずに残虐な行為を繰り返す星司に、田代は怒りと恐怖を覚えた。ブルブルと激しく震え始めた田代にも、星司の疑問に答える事は出来なかった。

そんな田代を冷めた目で見ながら、星司は最後に残った啓太の小指の骨も躊躇せずに折った。

優子と由香里は青い顔をしながら、その残虐な光景を黙って見ていた。マスターである星司のやる事に口出しはできない。ましてや星司が醸し出すオーラがそれを許さなかった。

「残りは5本か…」

星司はポツリとつぶやくと、啓太の右手の指をあらためて掴んだ。

「ぐっぐが、がっ、や、やめでぐだざい…」

星司の手に握られた自分の右手の指を見ながら、啓太は涙と鼻水を流して今まで以上に懇願した。汚物でも見るような目で啓太を見ていた星司が、突然気が変わったかのように言った。

「やめて欲しいか」

啓太は声にならない声で『はい、はい』と口をパクパクさせながら、何度もコクコクと頷いた。

「まあいいだろう。右手は許してやろう」

「ぐっ、がああ、あ゛あ゛りがどうございまず…。がああああ」

星司は啓太の手を離すと、何事も無かったようにポケットから携帯電話を取り出した。

画面を見ながら操作し、受信していたEメールを開いた。ざっと目を通した星司は、メールの内容の最後に記載されている番号に電話を掛けた。

星司は苦悶の表情でのたうち廻る2人に一瞥すると、電話の邪魔をされないように、泣き叫ぶ2人から距離を取るため、スタジオの端に移動した。

電話のコールは5回を数えて止まった。

一拍の無音の後、しわがれた声が星司の耳に響いた。

『この電話に掛けてくる者は限られている。これはオレの知らん番号だが何者だ?』

星司はその貫禄の有る声の主に丁寧に応えた。

「各務家の者です」

携帯電話のスピーカーを通じて、相手が息を飲む気配が伝わってきた。

『各務家か…』

「はい」

『月治翁の息子か?その割に声が若いな』

「いえ、月治の孫です」

『孫?孫は各務家から抜けて、その後でぶっ壊れたと聞いていたがな』

しわがれた声に訝しんだ色が含まれた。

「さすがに凄い情報網ですね。ですがその情報は遅れています。私はこうして戻ってきました」

『各務家の情報網ほどじゃないがな。しかしこの番号に掛けてくるとなると、どうやら本当らしいな』

「はい」

『で?どうしてこの番号に掛けてきた。オレは各務家からは縁を切られたはずだったがな』

「ええ、その縁を切り続けるために、さっき祖父に番号を聞きました」


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