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痴漢専用車両へようこそ
【痴漢/痴女 官能小説】

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修羅場の後始末-2

「このガキが!その手を離しやがれ!」

いきなりの修羅場続きに冷や汗を流していた徹夫は、頼もしい啓太の存在に喜んだ。

「啓太さん!」

普段は浅見の下で大人しい素振りをしているが、徹夫は実際のところは浅見よりも、啓太の方が強いと思っていたのだ。

「け、啓太さんは4回戦まで行ったんだぞ!調子こいてないで手を離せ、コンニャロウ!」

自分達にまだ分が有ると判断した徹夫は、啓太の強さを嵩に来て甲高い声を上げた。

「何の4回戦だ?その構えは盆踊りか?」

星司が少しも動じる事なく淡々と答えた。

「てめえ、調子乗りやがっ…」

啓太が怒鳴りながら、得意の右ストレートを繰り出した。しかしその威勢のいい言葉は最後まで言いきる事はできなかった。浅見の手を捻ったままの姿勢で、星司の右足が高く跳ね上がった。それがカウンター気味に啓太の顔面にヒットしたからだ。

「ぐぇっ!」

声にならない音を吐きながら、啓太は呆気なく吹っ飛んだ。

浅見の兄貴分の田代と、連れの祐治が股間を押さえてうずくまり、浅見は突然現れた男に手を取られて苦しがっていた。そして一番の頼みの綱の啓太は、大の字になって悶絶してしまった。

動かない啓太を見て、1人だけ無事な徹夫はブルブルと震え始めた。恐怖の余り踵を返して逃げ出そうとした瞬間、痛みを堪えた浅見の罵声が容赦なく飛んだ。

「て、徹夫、こいつを何とかしろ!」

徹夫は突然現れた正体不明の男と、自分を睨む浅見を神経質にキョロキョロと見比べた。

「何してやがる、早くしねえか!」

浅見の罵声を聞いて、徹夫はどうしたらいいかわからなくなった。浅見の執念深さは聞き及んでいる。浅見を裏切ってこの場を逃げ出しても、執拗な浅見からは逃げ続ける事はできない。浅見の数々のえげつない噂を思い出した徹夫は、頭の中が真っ白になった。

「わあああああああああ」

パニックになった徹夫は、叫びながら手にしたビデオカメラを振り上げて星司に殴り掛った。

星司は防御姿勢も取らずに、徹夫の攻撃を冷めた目で見ているだけだった。

動かない星司を見て、自分の手にした凶器で身が竦んでいると徹夫は勘違いした。徹夫が勝利を確信した瞬間、横から飛び出して来た男にドンと突き飛ばされた。

「なっ!」

突然現れた第2の男は、何が起こったのか理解できない徹夫の腕を、浅見と同じ様に捻り上げた。

「いてててて…」

徹夫の情けない声が廊下に響いた。

「優子ちゃん、待たせてごめんね。マスター、足速過ぎ」

第2の男は、これも初めて会った時と同じ軽い調子で、呆ける優子に声を掛けた。

「手島さんも…」

優子は次々に起こる出来事を、目をパチクリさせながら見ているだけだった。

「オレだけじゃないよ。ほら」

手島雄一が指差した階段室から、1人の女が現れた。


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