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フライング・スタリオン
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フライング・スタリオン-9

16.
 僕は、金曜日に和食弁当を持って施設の妻を見まい、一週おきの土曜日の朝便で、洋子に会うために横浜に飛ぶ。
 欲求不満のストレスから開放されて、精神も体調も順調だ。
 洋子との逢う瀬も、回を重ねるごとに深みが増して、夫婦らしくなって来た。

 洋子からメールが入った。
<昇さん、
 できたみたい。テストキットで陽性が出ました。嬉しい。早くお会いしたい。
XXXXX 洋子>

 昇は、横浜に飛んだ。
 洋子は、ベッドを暖めて待っていた。
 駆けつけの一発で、二人は愛を確かめ合う。
 最近は、洋子のヨガリ声が大きいので、もっと壁の厚い部屋を探さなければと昇は考えている。

「洋子、結婚披露をしよう」
「いいんですか?」
「病院の君の立場もあるし、籍は入れられないけれど、実質的に僕らは夫婦なんだから、披露パーティくらいはやろうよ」

 思い出のハーバービュー・ホテルに席を設けて、病院関係者、友人を招いて、結婚披露宴を開いた。
 
 結婚、子育てをしながら看護婦が勤務が続けられるように、洋子は、自分の経験を参考にして、病院と相談をしながら改革を進めた。婦長が先頭に立っているので、改革は順調に進んで、とりあえず、職場で授乳ができるように幼児室の確保に成功した。

 日が満ちて、洋子は女の子を出産した。愛と名づけて、出生届を出す。昇が、父親として認知をした。

「ねえ、もう一人作らない」

 出産後初めての営みが終わり、洋子は昇の腕枕で、余韻を楽しんでいる。

「あたしって、結構丈夫に出来てるから、閉経までに後二人は生めると思うのよ」
「そうだなあ、日本は今少子化で困っているから、いいかもしれないなあ、君さえよければ、僕はOKだよ」
「あなた、何をニヤニヤしてるの」
「いやあ、オーストラリアには、僻地の訪問医療をするフライング・ドクターという、飛行機で飛んで歩く医者がいるんだけれど、さしづめ僕はフライング・スタリオンだなあ」
「何よそれ?」
「あはははぁ、空飛ぶ種馬だよ」
終わり


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