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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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最期の、デート-1

鼠色もとい真っ白い雲一つ存在しない碧空が、この日特別な想いを胸に抱き見慣れた土地を放れ旅を愉しむ少年少女を、暖かく歓迎する。

「わぁー、観てぇー!不思議な形♪」

そう歓喜の声を挙げ、ミステリーサークルのようなまな板で作られた道に両隣へ訪れる
 人々を出迎えるかの如く赤や青時よりオレンジ色のガーベラが顔を出す所に、未知の
 場所へ足を運び無我夢中ではしゃぎ回る子供のように、その花畑へ地を蹴り吸い込まれ
てゆく絆。私はそんな彼へ一言注意を促した後その背中を追っていく。

旅行へ行こう。そう口にし出した時は正直開いた口が塞がらずにいた。
 無論病気の事が存在するゆえ最初は反対の意向を示したのダガ、彼もそれは重々に承知
の上での提案で、何より愛おしい私との最期のデートと言う意味も添えられ、その眼差し
に冗談や悪意は見られなく。

先生もこの話を耳にした時は目を丸くし驚いていたが、体は弱いもののこの前みたいに
 体が不自由と言う訳でも無く、何より彼と彼に説得させられた私とで何度も言い寄り。
 体には充分に配慮を…、と言う忠告を言葉にした後、外出の許可が下りたのだ。

「気をつけて歩いてね、この道の通りにね。」
「どうして?」
「だって、そうしないと雑草や小さな花を踏んずけてしまうから…。」
「……。」

彼の柔らかい思い遣りに、胸が締め付けられる。

死んじゃうんだ

こんな小さな命にさえ気を配る心優しい彼が…

春休み故、多くの家族連れを目にするこのガーデンパーク。

馴れ初めをする私達の五歩後ろで、無邪気に観光を愉しむ娘を見続ける、今回引率係を
 引き受けてくれた私の母。

「………。」

ボーイフレンドに視線を置く娘の瞳が濁っている事を見逃さず、顔を濁らせ見守る。

「おぉ!小さな湖まである!これも綺麗だね杏!♪」
「……う、うんっ!そう、だね……。」




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