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LADY GUN
【推理 推理小説】

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女刑事 上原若菜-6

 一年後…。
 「太一!華!お弁当持ったの!?」
 「はーい!」
玄関で靴を掃きながら手を上げる2人。
 「俺の弁当は?」
 「…ざ、材料不足で…。はい。」
500円玉を渡す若菜。
 「そんな悲しい顔しないの!!じゃあよろしくね!」
 「はいよ〜!」
太一と華を送って行くのは俊介だ。
「あ、忘れ物!」
若菜は俊介に歩み寄りキスをする。
 「キャーキャー!」
騒ぐ華と太一。デレッとしながら元気に出かけて行った。
 「さてと、洗濯して急がなきゃ!」
現在共働きだ。当然2人とも刑事だ。ただし若菜は城南署に配属された。警視庁の希望の星である若菜は特殊な立場を与えられていた。刑事として任務に当たる傍ら後輩達の指導に全国を回る。そして…日本初の女性署長という役職を与えられたのだ。当然忙しい若菜が署長の仕事をこなせる訳がない。不在がちな若菜を補佐する為に石山が署長代理というポストに選任され城南署に一緒に配属されたのだ。
 警視庁はそこまでして若菜を推したい意向があったのだ。若菜を見て多くの女性が警察に興味を示してくれるといいと思ったし、ゆくゆくは城南署を女性署員だけの署にしたいという意向があった。若菜なら望みを叶えてくれるはずだという信頼を置いているのである。事実、若菜は立派に職務を果たしていたのであった。
 そんな若菜だが、やはり刑事として街へ出るのが一番楽しい。新人の高原弥生という女性刑事を連れて捜査している時だった。
 「あっ!!」
ある男性を見つけた若菜。
 「知り合いですか?」
恐そうな男だ。弥生は不審がりながら聞いた。
 「顔なじみのヤクザよ。」
 「や、ヤクザ!!」
一気に怯える弥生をよそに手を振って寄っていく。
 「組長さ〜ん!!」
逆に焦った顔で振り向く龍酷会の組長、権田と護衛の若頭2人は怪訝そうに振り向き睨みつけてきた。しかしそれが若菜だと分かるとどこかソワソワした様子になる。
 「わ、若ちゃん!!組長って呼ぶな!」
焦った顔でもやはり怖い。弥生は恐る恐るついていく。
 「まさかクスリなんか売ってないでしょうねぇ??」
 「勘弁してくれよ。売ってねぇよ。」
 「本当かなぁ??」
ニヤニヤしながら若頭2人を見る。
 「マジっすよ…。」
 「ならいいんだけどね!」
ニコッと笑う若菜だが、弥生はビクビクしていた。


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