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LADY GUN
【推理 推理小説】

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さよなら大好きな人…-2

 「太一と華は元気??」
幼い弟達を心配する若菜。
 「元気よ?一日ずつ成長してる。若菜が小さかった時よりは手がかからないわ。」
 「そ、そう…」
頭をかく。
 「それにね、加藤綾美さんがね、私が病院とか行ってる間に二人の面倒を見てくれてるの。」
 「えっ?綾美さんが?」
 「うん。前にちょっとクラクラして倒れた時に綾美さんが偶然家を訪ねて来てね、私が通院してるの知ったら、今無職で何もすることがないからお手伝いしてくれるって言ってくれたの。助けてくれた若菜に御礼がしたかったんだって。家に記者さん達がたくさんくるんたけどうまく追い払ってくれたりね。いい子だから甘えちゃったの。太一も華も懐いてるわ。」
 「綾美さんが…」
普通の生活に戻れた事が嬉しかった。それよりも麗子が倒れた事が気になった。
 「お母さん、体の調子、悪いの?」
元々病弱な麗子を心配する。
 「平気よ。」
ニコッと笑った。そして少し間を置いて若菜はどうしても言わなければならない事を伝える。
 「お母さん…、娘が犯罪者になってしまってごめんなさい!お母さんは立派な刑事の妻だった。それなのに私はお母さんを犯罪者の母親にしてしまった…。ごめんなさい…ごめんなさい…!」
若菜は泣きながら言った。そんな若菜を優しい微笑で見つめながら言う麗子。
 「若菜はいつまでも私の可愛い自慢の娘よ?泣き虫で弱くて、頼りないけど可愛くて仕方ない私の娘よ?」
その一言に若菜は我を忘れて泣きじゃくる。
 「お母さん!!お母さん!!」
ガラス越しにおでこをつけて囁く麗子。
 「いい歳して泣き虫なんだから、若菜は…。」
麗子は一粒だけ涙を流した。泣き止むまで若菜を温かく優しい微笑みで包み込みながら見つめていた。
 面会時間が終わる。
 「若菜、虐められたらちゃんと言うのよ?」
 「うん。」
 「じゃあまたね?」
 「うん。」
母の背中を見届ける若菜。胸が締め付けらる。その時の麗子の背中が何故か胸に焼きついて離れなかった。 


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