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LADY GUN
【推理 推理小説】

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時を超えて-6

 いよいよ最後の戦いが行われようとしている頃、多くのパトカーが若菜と田口がいるであろう白山の山小屋に向かうべく白山最寄りのインターチェンジを降りようとしていた。物々しい数のパトカーだ。パトカーに混じりミニパトカーの数も多い。ミニパトカーに乗り込んでいるのは婦警や女性刑事達であった。
 田口が女性署員達を再び狙うと宣告した時点で日本中の女性署員達に注意喚起をした。勤務時も勤務外時も決して1人では行動しないよう連絡が行き渡ったのだ。しかし以外な事態が起きた。多くの女性署員達が逃げる事よりも立ち向かう意向を示したのであった。以前田口が日本中の婦警を拉致し無差別に辱めを与えた事件は勿論婦警達の脳裏に焼き付いている。被害にあった女性署員達はほぼ辞めてしまった。結果日本全国の女性署員達の数は激減してしまったのだ。そんな中残った女性署員達は寂しさと悔しさを感じて生きていた。そこへ現れたのが若菜である。田口に立ち向かい奮闘する若菜の姿に、自分も若菜のように立ち向かいたいと常日頃思っていた。若菜は全国の女性署員達の希望の星であり目標なのだ。そんな若菜が一人で田口に立ち向かおうとしている事を聞き千城県近隣の女性署員達は迷わず若菜とともに戦うべく白山に向かっているのであった。
 その話を聞いた石山は胸が熱くなる。
 (お前はもはや孤独じゃないんだぞ?一人で抱え込むなんて、本当にバカヤローだ。これからは女性署員達が先頭に立って警察を引っ張っていくんだ。そこにお前がいないでどうする?お前を失う訳にはいかないんだ、絶対にな!)
白山に近づけば近づく程に焦る石山。何もない白山付近にサイレンの音が響き渡る。
 そのサイレンを鳴らすパトカーの中にいなぎ中央署の西山の運転する助手席に南山渚の姿もあった。渚は若菜がいなぎ中央署を訪れた際に指導を受けた一人だ。若菜と直接会い指導を受けた渚は若菜を心から尊敬していた。噂でしか知らなかった若菜は素敵な女性であり素晴らしい刑事であった。若菜を目指し将来女性署員が台頭するような警察にしたいという志に感銘を受け賛同もした。そんな若菜の力になりたくて渚は西山に頼み込み出動許可を貰ったのであった。
 「上原さん…負けないで…。」
渚は星空に願いを込めながら西山の運転する車で白山を目指していた。


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