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LADY GUN
【推理 推理小説】

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時を超えて-4

 「オッパイが邪魔で動けないんじゃないの!?」
微笑を浮かべながら攻勢の愛理。
 「胸がないといいわね。身軽で。」
 「デカけりゃいいってもんじゃないわ!」
女同士の激しい攻防の中、口でも攻防を繰り広げる。
 「あなた田口とセックスしてるの?」
 「関係ないでしょ!」
 「相当な大きさなんでしょ?じゃああなたガバガバね。」
 「鍛えてるから締まってるわよ!失礼ね!」
 「どうかしら。」
 「テメーだってバイブ突っ込み過ぎてユルユルなんじゃないの!?」
 「ビッグサイズはあまり使わないから。」
下らないと言えば下らない舌競り合いだ。しかしそれだけ若菜にも余裕があると言う事だ。劣勢に見える若菜だが、田口はそう思わなかった。
 (あの女、余裕あるし、しかもハイヒールで…。強いな。想像以上か…。)
攻めていい気になっている愛理が心配になってきた。このまま消耗していけば有利だと考えた愛理は一気に攻める。
 「口ほどにもないわね!オナニーばかりしてるから体がなまるのよ!!」
大きく振りかぶり拳を飛ばそうとした瞬間だった。若菜の目にゾクッとするような狂気を感じた。
 「オナニーして体はなまらないわ?」
田口はドキッとした。
 「あ、愛理!ヤバイ…!」
田口は空気の変化を感じた。拳を振り上げた愛理の顔に衝撃が走る。
 「えっ…?」
何も見えなかった。若菜から攻撃を受けたのかどうか全く分からなかった。とっさに顔を抑え後ろにヨロヨロと後退する。
 「や、ヤバイ…」
田口は思わずそう口走った。
 「もう遊びは終わりよ!」
若菜がまるで瞬間移動したかのように思えた。若菜の顔が間近にある。
 「えっ…?」
目を丸くして驚く愛理。しかし時既に遅かった。脚を蹴られ顔を殴られ膝蹴りを食らう。よろける愛理を床に倒れさせないと言わんばかりに髪の毛を掴み腹を殴る。
 「ぐっ…」
一瞬にして戦意喪失の愛理。まるでサンドバッグのように攻撃を受ける。
 容赦ない。田口が止めに入れない程の殺気だ。鼻から、そして口から血が流れる。しかし返り血を受けても顔色を変えずに殴り続ける若菜。
 「ゆ、許して…もう…」
声にならないような呻き声を溢す愛理。
 「あんたのパートナーは何人もの女にそう言われても許さなかったのよ。あなたはそれを喜んで見てた…。許す訳ないでしょう?」
手を緩めない若菜。もはやリンチだ。細くしなやかな脚からは想像も出来ない蹴りは愛理のあばらを降り、脚を内出血させる。顔は腫れ上がり2度とモデルの仕事はできないであろうぐらいに歪んでいた。
 「も…う…」
言葉さえも聞き取れない。そんな愛理の腕を取り渾身の一本背負い投げを繰り出す。
 「弱い人間の気持ちを思い知れ!!」
愛理の体は放物線を描き壁に激突。小さな呻き声を零しながら床へと落ちた。ピクリとも動かない愛理を冷たく見つめる若菜だった。


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