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LADY GUN
【推理 推理小説】

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時を超えて-3

 若菜は田口を睨みながら言った。
 「それにしても人質取るなんて随分私に慎重になっているのね。」
 「何…?」
プライドを傷つけるような発言に田口が反応する。
 「大事な師匠を殺されて、マヤヤ様も親代わりの一家も殺されて怖くなったの?」
田口の表情が険しくなる。
 「やはりお前の仕業か…?」
若菜はニコッと笑う。
 「まさかぁ。私、刑事だもん。」
田口から見れば馬鹿にされたような気がした。それもそのはず、馬鹿にしたのだから。
 「お前…、あの女と組んで…!」
怒りがありありと分かる。
 「あの女って誰?意味わからないんだけど。」
 「くっ、とぼけやがって!許さねぇ…絶対に許さねぇ!!」
怒りを露わにする田口に言い放つ。
 「お互い様でしょ?大事な人を奪われて抱いている憎しみは。」
 「言ってくれるぜ。やはりお前は普通の刑事とは違うな…。」
 「まぁね。」
そう言った瞬間、いきなり人影が現れ若菜に襲いかかる。
 「っと…。」
顔めがけて跳んできた蹴りを寸前でかわす若菜。
 「余裕ぶっこいてんじゃないわよ!」
少し距離を置き構えている女性…、それは高梨愛理だった。
 「あら、カリスマモデルさんじゃない。あなたにも会いたかったわ。」
 「オヤジともどもウザイんだから。」
高校時代に田口とともに若菜の父、正芳から取り調べを受けた事がある。
 「あなたも相当ウザイわ?赤いパンティーが、ね。」
ミニスカートで蹴りを放った愛理のパンティーが見えたのだ。
 「大きなお世話よ。それよりあんたに生きてられちゃあ私のモデル人生終わっちゃうのよね。だからさっさと犯されてどこか遠い所で細々と暮らしなさいよ。」
 「いやだン、私、レイプなんてされたくないし。」
 「ムカつく女…。」
愛理は若菜を睨みつける。
 「まずは愛理に勝ってみろよ。愛理は相当強いぜ?麻薬の世界で今まで生きてきたんだからな。」
 「じゃあこの子に勝ったら杏奈さんを解放しなさいよね?」
 「勝ったらな。」
余裕綽々の田口。若菜は銃をしまう。恐らく愛理はかなり強いのだろう。雰囲気もそれを感じさせた。
 「ハイヒールなんて履いてて私に適うと思ってるのかしら?」
 「ま、赤いパンティーには負けるわ。」
 「るせぇ!!」
愛理が若菜に襲いかかる。いい構えだ。パンチも型が出来ている。シュッという音とともに若菜の頬を拳が掠める。
 「せい!」
間髪入れずに膝蹴りが繰り出される。しかし手でブロックする若菜。続けて繰り出された回し蹴りも交わし若菜が反撃に出る。しなやかな脚が愛理の頭を狙う。腕でガードする愛理。
 「随分派手なパンティーだこと…。」
 「私の勝負パンツなの。」
若菜のパンティーピンクの豹柄だった。なぜか…。それは静香が命を落とした時に田口に履いてこいと指示され着用していたパンティーだからだ。
 (あの女…)
若菜の本気を感じた田口。
 脚を引き下げ一歩下がり構える若菜。
 「派手パン同士、派手にいきましょう。」
 「望むところよ!」
2人の激しい攻防が始まる。まるで有段者同士の対決のようだ。お互い決定打を打たせない。相手の鋭い蹴りや拳を見事に交わし合う。そんな中、口を塞がれ縛り上げられている杏奈を見つける。一瞬目が合った。
 (絶対助けてあげますからね。この命にかけて…)
若菜は目でそう伝えた。
 どちらかと言うと愛理が優勢に見えた。若菜は守りがちである。ガードする腕が赤みを帯びてくる。愛理の実力は相当なものてあった。


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