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LADY GUN
【推理 推理小説】

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モンスター再始動-2

 靜香は俊介を使われて身動きを封じられ田口の手にかかった。しかし若菜には田口が自分の家族を狙う事はないと考えていた。家族を連れ去り若菜の動きを封じるのは簡単だ。そんな楽なゲームを田口が選択するはずはないと考えているからだ。田口は捕まれば逮捕確実な身だ。田口にとっては若菜との対決が最終決戦のようなものだ。自分の力で若菜を倒しに来ると読んでいた。
 若菜は久々に中央刑務所へ出向いた。目的は再逮捕され無期懲役が決まっている喜多和典に会うためだ。若菜は面会室に入り喜多を待つ。すると職員につれられて喜多が入って来た。
 「…あんた誰だ?」
喜多は不審そうな顔で若菜を見つめる。
 「上原若菜よ。」
喜多は驚く。
 「上原若菜…?あのションベンたれネーチャンか!?」
あまりの変貌ぶりに目を丸くして驚いた。
 「失礼じゃない?久々の再会なのに。」
 「マジかよ…。」
すっかりいい女になった若菜に思わず言った。
 「あの皆川静香みたいになったもんだ、すっかり。」
 「最大級のお褒めの言葉、ありがとう。」
微笑すら浮かべていた。
 「で、今さら何の用だよ?女に餓えた俺に刺激を与えてくれんのか?ヒヒヒ!」
職員が注意する。
 「こら!」
しかし若菜は制止する。
 「あ、いいんです。気にしないで下さい。私も出来る事ならたまりにたまったオジサンのオチンチン握ってシコシコしてあげたい気分なんで、ね。アハハッ!」
 「…」
呆れる署員。しかしそんな若菜を見ながら溜息をついて椅子に座る喜多。
 「まぁ残念だが俺はもうそんな元気も性欲もないんだよ。」
一転憔悴した姿を見せる。
 「あら?どうしたの…?」
拍子抜けする若菜。予想外の事に驚いた。喜多は人生疲れ果てたような顔をしながら言った。
 「あの頃は楽しかった…。普通できないような女でもレイプでならどんなにいい女とヤレたんだもんな。可愛い女とヤレるんだ、確実にね。そりゃ楽しいよ。最高だと思ってた。初めて逮捕された時は徹が俺を刑務所から出してくれる事が分かってたから、また塀の外に出て可愛い女をレイプする事ばかりを考えていた。でも再逮捕されてそう簡単には出られない状況になって色々考える事が多くなってね。振り返れば一体俺はなんて事をしてきたんだって思うようになったんだよ。レイプした女達の怒っている顔…、よく夢で見るんだ。その顔が怖く感じてるんだ、今。レイプなんてせずに普通の恋愛をして、結婚して、もしかしたら今頃は子供もいたかもしれない。それが娘で年頃になった時に誰かにレイプなんてされたら、俺はどれだけ犯人が憎いだろう。そう考えたら怖くなってな。塀の外に出るのが怖いんだ。俺はどれだけ恨みを買っているんだと考えると、なんて馬鹿な事をしたんだって、ね。」
 「今さら遅いわよ。でも、そう思える事が出来るようになったのならば私はこれ以上あなたを非難するつもりはないわ。」
若菜は穏やかな顔ではないが、限りなくそれに近い表情で喜多を見つめていた。


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