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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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僕だって!-2

何処までも続く広い青空、僕はその先に無限の可能性を感じた。
 涼しい風が僕を包み込む、まるで多くのペットがようやく帰ってきた愛おしい飼い主に皆して一斉に集い抱き寄せるかのように…。

「お待たせー!」

口を半開きに小刻みに自宅の階段を降り、やってくる杏。
 完治した開放感が未だ収まらない僕は、早めに起き、快調な足取りで彼女の家へ。

「んもぅー昨日退院したばかりでしょ!?それなのに朝早くにこんな所まで行く何て、
 どーせ走って来たんでしょ!?」
「うん!居ても立っても居られなくて、一秒でも早く君の顔が見たくて。」
「無理は禁物って言われたでしょ、倒れても助けないからね!」

久しぶりに肩を並べ登校する僕等


「どうしたの、杏?」

何時もの商店街付近まで来た所で、急に立ち止まり後ろに首を向け、軽く上下に振り。
 知ってる人でも見掛けたのか?。

「……ううん!何でもない!さぁー行くべ、久しぶりの学校、皆待ってるよ!」
「う、うん。」

眉を捻らせつつも、流されるがままツカツカと向かう彼女の背中を追い。


教室に着き、親しいクラスメートを中心に十人ほどが僕の元へ集まり、心配の声や出迎えの声を耳にする、何かやっと帰ってきたって感じた。


「あーんなぁっ!一緒に帰ろっ!」

御園サンと共に学校を出る杏の背中を目にし、その背中が何だか小さく見えつつも、声を掛ける。
 それに気づき、同時に振り向く二人、今度は暗い顔を目にし。

「あ、絆。」
「?どうしたの、ねぇ!久しぶりに美術館へ行かない!?」

社会復帰してどんどん日常生活を取り戻そうとする僕、しかし彼女の返答はそれに芳しくないものであり。

「ゴメン、また今度ね…」

そう言い、僕と御園サンが立ち止まっているのにも気づかず、一人とぼとぼと門まで向かい小さくなってゆく杏。

「杏…」
「一体どうしたのかしら。」
「どうしたの?彼女。」
「そんなの知らないよ、こっちが聞きたいくらいだよ、最近一緒にアイス食べてくれないし、一人で居る時が結構多いし…。」
「…」

僕が退院した事実は彼女にとって紛れも無い吉報で、その事に関して嘘偽りは感じない。
 もっと別の事で何かに苦しんでいるのだろう。

一体どうしたと言うんだ、せっかく退院して、大好きな彼女と居られると思ってたのに。
何とも釈然としないな…。

何か悩みがあるなら言って欲しい

つい此間まで、苦しんで居た僕に救いの光を照らしてくれたのは紛れも無い杏その人だ
 その彼女が暗く落ち込んでいる、まるでつい此間までの僕見たいに…。

僕の大好きな笑顔が目に映らない、一体誰が、何が、彼女から素敵な笑みを取り上げたのか…。

入院中、僕は彼女に助けられた、なら今度は僕が彼女を助ける番だ!

何に苦しみ、何に悩んでいるのか今は解らない、でも。

僕は彼女を救いたい、彼女のかけがえのない素敵な笑顔を踏み潰すような悪い菌を必ず
 取り除いてやる!

待っていてくれ、杏。


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