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LADY GUN
【推理 推理小説】

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暗殺者・瀬川涼子-1

 土曜日、若菜は捜査状況を報告する為に警視庁本部を訪れた。先日一度本部に来るように要請があり、若菜の方からこの日を選んだ。土日は普段よりもグッと署員が少ない。だから若菜はこの日を選んだのであった。
 若菜にとって呼ばれたのは好都合であった。何かしら口実をつけて本部に来たかったのだ。捜査状況の報告などどうでも良かった。若菜には他に目的があったのだ。
 報告を終えると東京に戻って捜査をしている杏奈と合流する。俊介は若菜と入れ違いで中央署に戻っていた。今回の上京の目的は杏奈には内密者を探す事だと伝えてある。若菜は杏奈に案内され目的の部課に向かう。
 2人が立ったのはシステム管理課のあるシステム管理室だ。若菜はドアを開け中に入る。やはり普段よりも署員は少なくガランとしていた。
 「すみません、篠原さん、ちょっと宜しいですか?」
杏奈が篠原隆史という署員に話しかける。
 「あ、はい…。あっ…!」
篠原は若菜を見た瞬間に驚いた。その様子だけで十分だった。余計な会話はせずに済んだ。若菜は他の署員に聞こえないように小さな声で言った。
 「分かりますよね?ちょっと来て貰っても宜しいですか?」
篠原は観念したかのように下を向きながら答えた。
 「はい…。」
気の小さそうな男だ。下手な真似はできないだろう。現に大人しくついてきた。若菜は小会議室の中へ入る。ドアの外で待機しながら見張りをする杏奈。若菜とともに会議室に入った篠原はソワソワして落ち着かない様子だった。そんな篠原に若菜が歩み寄る。ゆっくりと篠原の目を見据えながら。篠原にとっては悪魔が近付いてくるようにも思えた。恐怖で体が微妙に震えていた。
 「この野郎!!」
若菜はLADY GUNを握り締め篠原の頭に銃口を突きつける。
 「ご、ごめんなさい…、すみません…でした…。許して下さい…」
あまりの恐怖で泣き始めた。鼻水も垂れていた。しかし若菜は容赦しない。


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