投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

LADY GUN
【推理 推理小説】

LADY  GUNの最初へ LADY  GUN 370 LADY  GUN 372 LADY  GUNの最後へ

Fall in Love-3

 涼子は中島に渡されたペットボトルのお茶を飲んだ。そして何となく言葉を並べた。
 「本当は風俗なんて嫌だったのよ?」
 「えっ?」
突然の話にドキッとした。
 「本当はキャバクラとか飲み屋で働こうかなって思ったの。夜の仕事しかお金がまともに貰える仕事はなかったしね。でももし自分を知る人に会ったら嫌でね。湯島に犯された時の写真や動画は既に広まってたし。キャバクラとか飲み屋は女性と喋りたくて来るし、口説くのも楽しみの一つでしょ?だからこっちを色々詮索されるのが嫌で。風俗は一番の目的はエッチでしょ?そりゃ口説く人はいたけどキャバクラとかよりしつこくないし。それに瀬川涼子という存在をなるべく知られたくなかったから風俗に決めたの。風俗は接客する前にモニターでお客の顔を確認出来るし、知ってる人に当たる事はないから。でもネットとかであの子はいいって噂になると指名してくる人が増えてね、それに風俗雑誌からも取材の依頼が来るようになって、これはマズいと思って北海道を去る事にしたの。兵庫で働いたソープランドの経営者がヤクザでね、でも凄く良くしてくれた。その繋がりで大阪の売春組織へ移って麻薬を売り始めたの。そこで私はサイレンサー付の銃を手に入れたの。弾は十発しかくれなかったけどね。今考えればそれ以上は人を殺すなっていう優しさだったのかもね。ただセコいだけだったかもしれないけど。」
 「色々あったんっすね、俺が尾行してる間に。」
 「フフ。そしてそこで田口徹と出会ったわ。あなたの報告があったのね。」
 「報告はしたけどあの依頼主が会いに来ていたのは知らなかったっすよ。でも瀬川さんは1人でいなぎ市へ入りましたよね?田口は見かけなかったから。逃げる気はなかったんですか?」
 「田口は言う事を聞かなければあの事件の張本人である私を警察に突き出すと脅して来たの。でも私は田口について行けば湯島武史の居場所が分かるのではないかと考え脅されて麻薬を売るふりをしたの。全ては湯島武史と渡辺麻耶の居場所を突き止める為にね。」
 「そうだったんすか。」
 「ええ。私はずっと湯島武史と渡辺麻耶に復讐する事だけ考えてた。そして銃も手に入れた。そして目の前に居場所を知るであろう田口がいる。私にはいなぎ市へ行かない理由はなかったわ。」
 「そっか〜。でも良くあの矢沢を殺さなかったですね。奴もリストに入ってるでしょうに。」
 「彼は最後に殺すつもりだったわ。偶然いなぎ市にいたし、居場所も分かってたし姿も当然確認した。いつでも殺せるしね。でもね、殺す前に逮捕されちゃったから。」
 「じゃあ逮捕されてなきゃ…」
 「いや…、でも逮捕されなきゃ上原さんが湯島武史の居場所に行く事もなかっただろうし、私は上原さんをつけて行って湯島武史の居場所を突き止めた訳だから、矢沢は殺さず正解だったのかもね。でも矢沢が逮捕された時はチャンスだと思ったわ。湯島武史を殺した後は、矢沢はどうでもよくなったの。そして渡辺麻耶を殺した時、やっと終わったって思った。だからもう矢沢はどうでもいい。」
 「そっすか。」
頷きながら中島は話を聞いていた。


LADY  GUNの最初へ LADY  GUN 370 LADY  GUN 372 LADY  GUNの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前