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ミルク茶
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ミルク茶-1

『いらっしゃいませ〜』


目の前の自動ドアが開くと中からやる気のない声が聞こえた。客が来たのに椅子に座って雑誌をペラペラとめくっている。

それに対して何も思わないまま、雑誌コーナーに向かった。もぅすぐ時計の針は12時を指そうとしている。
俺は、読みきった雑誌を戻した。

『いらっしゃいませ〜』


またあのやる気のない声が聞こえたと思い視線を上げた。その先には、見覚えのある長い髪。


『…あいつなんじゃねぇの…』

誰に問うわけでもなく、ただその長い髪を追った。隅に隠れながら。彼女は、手元にあったお茶をありったけカゴに詰める。その様子を見ているとなんだか懐かしくなり、自然と笑みが溢れていた。

レジに向かい、やる気のない店員にカゴを差し出す。
『ぁ、あと、マイセンライト』
その声は、間違いなくあいつだった。

店を出ようとする彼女の後を追うように、俺も手元にあったお茶を手に取り、レジに向かう。

チラチラと外を気にしていると、彼女は俺が乗って来たバイクをしゃがんで眺めている。

(…ヤバィって…)

彼女は、尚もバイクをいじり続ける。

『お客さん』
店員にそう呼ばれて、ハッと顔を戻すと店員が不信な顔でこっちを見る。


『ぁ…ぁぁ、わりぃ、セッタ』
店員は、一度に言えよと言わんばかりの顔で返事もしずに会計を済ます。



『ありがとうございました〜』


やる気のない声を背に彼女の元へ向かう。
まだ俺のバイクをいじっている後ろに立って言った。

『盗まないで下さ〜い。警察呼びますよ〜?』

俺の顔を焦った表情で見上げた彼女は、俺だと判断するとみるみる内に明るくなった。


『え?マジで?すっごい久しぶりじゃん!』




この笑顔が一番好きだった。





コンビニの前に腰かけて2人、夏の夜の風を浴びていた。光に集まってくる小さな虫を手で払いながら彼女は言う。

『なになに、5年ぶりくらいじゃない?』
『あ〜俺ら中学が最後だからそれくらいか。長いな』

彼女は笑いながらさっき買ったパックのお茶を取り出す。


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