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ハツミ
【OL/お姉さん 官能小説】

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トモキ 2nd Story-6

―ハツミは俺の事をどう想っているのだろう??

いくら俺が考えてもこの疑問の答えは出ないだろう。この答えを持っているのはハツミ自身だけだ。
もし、俺の理性が自分の性欲と征服欲とに負け、ハツミを乱暴に抱いてしまった事で俺がハツミに嫌われてしまっていたら…俺は悔やんでも悔やみきれない。
ハツミの気持を確かめたい!
だが今の俺にそんな勇気は無かった。

そもそも出会ったその日にこんなことになってしまってよかったのだろうか??
ハツミは俺を軽い男と思ったかも知れない。
考えれば考えるほど暗い事ばかり思い浮かんできた。本格的に気分が堕ちてしまいこのままどこまでも堕ちていってしまうかと思った。
暗くなった気分を戻そうと、部屋の冷蔵庫からビールを1本取り出し一気に煽る。
するとちょうどシャワーを終えたハツミが部屋へと戻ってきた。備え付けのバスローブを着けて洗いざらしの髪をタオルで擦り
「あっ!あたしもビール〜!」
と笑う。正直、ハツミにビールは似合わないなと思いながらも冷蔵庫からもう1本ビールを取り出し、タブを空けてハツミに渡す。
ビールを受けとり一口飲んだハツミは
「トモキもシャワーどうぞ」
と俺を促す。
俺は気分が暗くなってしまったことを悟られぬように
「やっぱり一緒に入ればよかったぁ!!
とおどけてみせ、シャワーへと向かう。」

シャワーを済ませハツミの元へと戻るとハツミは着替えとドライヤー、薄い化粧を済ませていた。
ご丁寧に俺の脱ぎ散らかしたままだった服まで綺麗に畳んであった。
俺がシャワーを終えた事を見止めると
「トモキ、髪のドライしてあげる!」
そう言って俺をベッドに座らせる。
先にも言った通りこの部屋のベッド側の壁は一面鏡張りになっているため、ベッドに付いているコンセントから電源を取り鏡を見ながらのドライヤーの使用が可能だった。
普通のホテルでは備品の盗難や紛失を防ぐためドライヤーは脱衣所から取り外し出来なくなっている事がほとんどだが、この部屋は最大の特徴である大きな鏡に配慮し、ドライヤーが脱衣所でもベッドサイドでも使えるようにしてあるのだろう。
ハツミは俺を鏡に向かせ、自分は俺の後ろに回り、慣れた手付きで俺の髪を手に取りドライヤーをかけ始た。
「クセもなくて綺麗な髪ね。ずっと伸ばしてるの??」
そう尋ねられ、髪がここまで長くなった経緯をハツミに話す。
「確かにこの髪型似合うね!」ヘアワックスあたしのでもいいかな??
そう言ってハツミは自分のカバンからワックスを取り出し、ドライヤーの済んだ俺の髪に馴染ませ始める。
俺はというと、鏡越しに見えるハツミの姿に釘付けだった。洗練された物腰は知性を感じさせ、女性らしい言葉遣いや仕草はどこまでも俺を虜にさせた。
ハツミの手先に目を走らせた時、俺はある事に気付いた。ハツミは随分と髪に触れる事に慣れているようだ。このままハツミがハサミを持ちカットを始めたとしてもきっと何の違和感もないだろう。
考えてみれば俺はハツミの事を何も知らないのだ。知っているのは名前だけ。
俺は単刀直入に疑問を投げ掛けてみた。
「ハツミって美容師さんなの??」
「えっ??ううん、似たような事をしてたことはあるけどね!髪を触るのは自分の髪でも人の髪でも好きなのよ!」
結局俺がわかったことは髪をいじるのが好きって事だけ。
「そろそろ時間じゃない??」
そう切り出したハツミに従い俺とハツミは部屋を後にする。
俺の気持は決まっていた。


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