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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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本当の優しさ-7

何の気になしに商店街をふらっと歩く、この日も変わらず多くの人で賑わっている。

「はぁー」

深い溜息、一体私はどうすりゃいいのよ…

と、地面に視線を落とし、落ち込んでいると。

「ありがとうございましたぁーっ!」

若い女性のハツラツとした声、見ると優梨子サンの経営する喫茶店が目に入り。

私は、ある事を思い出し店内へ入り。

「いらっしゃいませー、一名様ですか?」
「あの、店長サンはいらっしゃいますか?」
「バイト希望の方ですか?でしたら店長は奥にいますので」

上手いこと勘違いしてくれて、店長である優梨子サンの元へ。


「えっ?ここで働きたい?」
「うん、優梨子サン前に言ってくれたよね、ここで働かないかって。」
「あーー」

この前の事を思い出し、彼女に頼み込む。しかし何だか歯切れが悪い、何で?

「ゴメーン、もう間に合ってるんだ」

申し訳なさそうに、両手の平を顔の前でくっつけ謝罪する。

「えっ?だってこの前は人手が足りないって」
「そうなんだけど、よくよくシフト表を見たらそうでもなかったさ」
「!」

噂通りのうっかり者、ダガ今回ばかりはシャレにならん。

「そんなぁ、どうにかならないんですか?今、私どーしてもお金が必要なんですっ!」

あの夫婦が、息子の為にリハビリ代を出さないのなら、私がっ、バイトしてお金を貯めて
彼にちゃんとしたリハビリ看護師を。

リハビリ代も出せないのにあの部屋に行かせてくれるのは、先生のせめてのも優しさか。

「ホント、御免なさい」
「そう、ですか。」

稼ぐことは出来ないと諦め、喫茶店を後にした。


「はぁ…」

力なく、求人誌に赤ペンで×印をつける、これで何件目だろうか…

私はあの後どうにかお金を稼げないか、普段目にしない求人誌を購入し、バイト先を探しているも、一向に女神は微笑んでくれず…。

「どうしよう、このままじゃ彼が、絆が、一生お外の空気を吸えず。」

家に帰れば五月蝿いアイツもいるし、夜の繁華街を出歩く私、あぁーあこれじや不良だな
絶望にウチひかれ、取り合えず帰ろうとしたその時。

「えーうっそぉーヤバくなぁーい、ソレェー?」
「だぁーいじょーぶだってぇ、大人しく従ってれば相手だって悪いようにしないって」

通りすがりの、パーマを掛けメイクのきつい私同年代の制服を着た女の子が、妙な話を
 しているのが耳に入り、振り向く。

「三万、いや上手く行けば十万はお小遣いくれるって」
「マジー?それって相手がどっかの重役や社長とかぁ!」

ドラマで見た事がある、女子高生が大人の男と付き合い、ソイツの部屋に案内されて
 如何わしい事をされる代わりに、ソイツから大金を貰えるとか。

やってみようか?

そうすれば、リハビリ代何て確実にあっと言う間に

……。

いや、駄目だ…何を考えているんだ私は、そんな事絶対しちゃ駄目だ

危険な橋を渡ろうとする自分にブレーキを掛ける、しかし。

「リハビリ、やってみるよ」

「そして、絶対に退院するんだ!残り少ない人生だけど、精一杯…」

前向きに立ち直った彼を思い返し、私は。

「ねぇねぇ!その話、もっと詳しく教えてっ!」

私は決して開けてはならない、パンドラの箱を開いてしまった。

全ては、愛する人の為っ!


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