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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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本当の優しさ-12

「………」

病室に来ても、何も口にしない彼女。視線を先ほどから僕に合わせず。

「杏…」
「御免なさい、殴るなら顔以外の所にしてぇ!」

今の状況を充分に理解している彼女は、完全に僕に怒られると思い。

「そんなぁ、何もしないって言ったでしょ!落ち着いて」

口ではそう言った物の、彼女からしたら、やはり。
 故に僕は、彼女が来るまでの間、考えに考え抜いた話を切り出す

「リハビリ代、何とかアテが出来そうなんだよ」
「えっ!?本当っ!」

予想通りパァと口を開き喜ぶ彼女、でも本当は嘘、アテ何か無い。

「うん、病院付近にね、骨董品があってさ、そこの商品どれも高そうなのが沢山あるって
話を他の患者さんから聞いてさぁ」
「え、う、うん」
「だからそこにある骨董品の幾つかを奪ってこようかと思ってるんだ」
「ちょ、それって」
「大丈夫だよ、そこの店主優しそうで奥さんと夫婦円満のようだけど、普段から寝てばっかだからその隙に」
「何言ってるのよっ!そんなの泥棒でしょっ!最低!何考えてるのよっ!」
「仕方が無いだろ?僕が退院しないと、君が苦しい思いをする、僕だって本意じゃない
 ケドッ!」
「だからって、そんな真似、私は絶対にさせないし許さないよっ!」

「なら僕も今の君を決して許さないっ!」
「!!」

膠着する彼女。

「…もしかして、今の話、全部」

返事はせず、代わりに目で訴え。

「君が僕にしてくれた事はとても嬉しい、お陰で体も心も楽になる。でも思うんだそのせいで君が、大好きな君が嫌な思いをするなんて、僕の為に男にレイプされた何て話を聞いて、今の僕、どんな気持ちでいると思う?」
「それは…」
「僕が、骨董店を放火して、店主夫婦を殺し、警察から逃げ回るのと同じだよ」
「……絆」
「杏、もっと近くに寄って」
「……」

彼女は黙って、僕の傍により、そして暖かく杏を抱きしめる。

「!…」
「ありがとう本当に、僕、今、とっても幸せだよ、こんな僕をここまで応援してくれて
 何時だって僕の大好きな笑顔で支え勇気付けてくれて。」
「絆…」
「そんな君が大好きだ、世界中の誰よりも。だから、だからぁ!君が嫌な思いをして苦しい思いをして、こうして入院して外に出れない今も、僕のせいで悲しい顔で街を歩いて
 いるんでないかと思うと、僕は、僕はぁ、胸が苦しい」
「何よ、それじゃー私にバイトもリハビリ手伝いもするなって言うの?私も絆が好き!
 好きな人が苦しんでいるのならそれを手伝い、何としててでも救ってあげたいって思う
のが当たり前でしょっ!?」
「そこまでは言ってない、ただ、解って欲しいんだ、自分が苦しむと同じ空の下で自分の苦しみ悲しみに苦痛を感じる人が居る事実をっ!」
「絆……」
「何もしてあげられなくて本当にゴメン。でも何時か退院して残り僅かの人生だけど
 君を、やせ我慢でも何でも無い本当の笑顔でいる君と過ごせるよう、強い男になって
 見せるっ!だから……」

「絆、絆ぁぁぁぁっっっ」

彼女は溢れていた想いを一気に噴出し、号泣し僕をより強く抱きしめた。

「ゴメンなさい、私こそ、貴方の事ばかり考えてて、何も解って無かったっ!」

大切な人を幸せにしてあげたい気持ち、でもその思いは時にヒートアップし、自分では
 これが正しい、きちんと理解してる。そう自分に言い聞かせ周りが見えなくなる。

だからこそ一度冷静になって考えて欲しい、相手が何を思い何を願うか、を。


次回、10話へ続く。


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