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ちちろむし、恋の道行
【歴史物 官能小説】

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その1 ちちろのむしと出会ひけり-2

「それもこれも、お峰、おまえのせいじゃねえか。夜中にこっそり家を抜けだしてここに押しかけ、布団に潜り込 んで魔羅をまさぐりやがって……。結局、ゆうべは一睡も出来なかったぜ。なにせおまえは五回以上気をやらないと満足しねえんだから、明け 方までせっせと頑張っちまった。これじゃあ身体が持ちやしねえ」

「あーん、ごめんなさい。だからこうして軍鶏肉を持ってきてあげたじゃないのさ」

「おいおい、坊主に生臭い肉を食わせる気か?」

「何云ってんのよ、坊主落ちでしょうに」

「還俗しても畜生の肉には手を出さねえ」

「……あたしの秘肉になら喜んで手を出すくせに」

「わはははは」

瑚琳坊はお峰を転がし、乱れた裾から手を割り入れると、毛まんじゅうをひと揉みした。

「うん、おれはこっちの肉なら大好物だ。こうしてさわっていると、死んだはずの息子が息を吹き返しそうだ」

本当かしらと瑚琳坊の下帯に手をやったお峰が艶っぽく笑う。

「あらまあ。ぐったりしてたのが……、ああ……、だんだん固くなってきたわ」

瑚琳坊はお峰を組み敷くと、寝転がったまま伸ばしたつま先で器用に障子を閉め、彼女の胸元を割り開いた。そこ には豊かで張りのある乳房が息づいていた。

「昼間見るとまた格別だな。色っぽいぜ、おまえのお乳」

「ああん、嬉しい。吸って、吸ってぇ」

瑚琳坊が音を立てて胸を吸い回すと、ゆうべ盛んに燃え上がり今朝方ようやく鎮火したはずの、お峰の身体の埋も れ火がくすぶりだし、早くも女陰からトロリと蜜が滴った。ひとしきり乳房をねぶられていたお峰は瞳を妖しく濡れ光らせ、瑚琳坊の下帯を乱 暴に剥ぎ取った。すでに十分に勃起した魔羅が顔を見せると、彼女は五寸五分(約16p)の肉棒をゆっくりと舐め上げた。その魔羅の竿の背面には縦に長く一本、みみず腫れの跡があった。

江 戸に出てきて五年。二十人を越える女体を遍歴した瑚琳坊だったが、その中に非常に悋気の強い女がいた。ある夜、別な女と交接している最中 に突然乗り込んでくるや、金切り声を上げて恋敵にむしゃぶりついた。髪を引っ張り顔に爪を立てる。慌てて止めに入った瑚琳坊をも突き飛ば すと、「この魔羅がいけないんだ!」叫ぶやいなや思い切り爪を、まだ勃起していた男根に突き立てた。そのままグイッと指を引いたからたま らない。鮮血が溢れ、大騒ぎとなった。その後数週間はまったく使いものにならなかった瑚琳坊の魔羅だったが、いざ治ってみると、みみず腫 れの跡がこんもりと隆起し、そんな一物を入れられた女は「入り口の上っ面を強くこすって、えらく具合がいい」と口走った。瑚琳坊の魔羅 は、それこそ珍しい「珍宝」となったのであった。

そ んな珍宝をズブリとお峰の女陰に突き入れると、

「あはっ、いいっ! 滅法いいっ!」

早くもお峰は大仰に喘いだ。瑚琳坊によって女の喜びを開花させられたお峰は、珍宝を味わうのがこれで丁度十と 五回目だった。どうすれば最も感じるのか熟知している彼女は自ら腰をくねらせ、尻をせり上げた。

「ああぁ、……いいっ。瑚琳坊、好き! 死んでも離さない!」

盛んに愛液を滴らせ、思う存分肉棒を飲み込み、食い締める。若い膣の内部がウヨウヨとぞよめき、瑚琳坊は目を 細めた。この女はみみず千匹なのだ。一方、自分の魔羅にはみみず腫れ。みみずが千匹巣くう女陰と一匹の太長いみみずを宿した魔羅。みみず 同士が戦い合ったが、勝者はいつも瑚琳坊だった。

「あはっ……、駄目っ……、いくぅ、いくぅ、…………いくっ!」

お峰が激しく気をやった。少し遅れて瑚琳坊も精液の出涸らしを放出した。昨夜から数えると、これで四度目の放 出だったのだ。

お 天道様が傾き始めた頃、ふだんは読み書きを教える畳の上でぐったりと重なる二人。閉め切った障子の向こうを、樋竹売りがのんびりと声を上 げながら通っていった。




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