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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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彼女を、支えるもの…-13

「それでさー、久しぶりに部活に顔出したら、部長に怒られたさ」
「あっはっはぁ、そりゃー散々だったね」

自分でも何言ってるんだろう、幾ら杏の方からそういう話をしたとはいえ、何とまぁ図々しい、返答を、でも言葉のキャッチボールはしなければ

あの日、あれだけ怒鳴り出し、彼女の好意を踏みにじった僕なのに、何事も無かったかのように、またお見舞いに来てくれた。

「あの花とっても綺麗だね、ありがとう」

目線を杏が持ってきた水色の花に移し、率直な想いを述べる。

「ホントォー?妙な気を遣って無い?」
「ホントだよ、青空好きだし」

解ってもらえたかな、そして次に僕は。

「この前はゴメン、せっかく僕の為にしてくれた事なのに」
「全くね、でもまぁちょっとカッコ良かったよ、まさかアンタが「ふざけんじゃねー」
「シバいたろかっ、えぇうぉいっ!」「奥歯ガタガタ言わせて、指一本頂戴して、東京湾に沈めたろかおいっ!」って」
「ヤクザかっ、そこまでは言ってないよぉー」
「いやー今の絆も好きだけど、そう男らしいギャップのあるアンタもいいね、ねぇもう一回言って、一生のお願いっ!」
「やだよ、あの時は。それに何でさ、変な趣味持たないでよ、しかもこんな事で、一生のお願いは無いでしょ」
「うふふ、やっぱりそうくるか、さて、ちょっとまた素敵なスカイカラーの花にお水を
 取り替えてくるわ」

そう言って機嫌良く、僕に背を向け、ドアノフに手を掛ける

正直、戻ってきてくれて嬉しい、もう二度と僕の前に姿を現さないんじゃないかって、内心後悔していた、まっ、怒鳴った事に関しては。

「やっぱ強いわあの子、たまげるよ」
「御園さん」

入れ替わるように、今度は御園サンが、僕の元へ歩み寄り。そういや杏が来た時、御園サンも居たような、「二人っきりにして欲しい」そんなやり取りでもあったのだろう。

「ホント良かったよ、元気な顔でまた来てくれて」
「そうね、私は止めたんだけどね、貴方に会う事を」

矢を放たれたように傷つく、でも返す言葉も無い。

「元気って言うけど、内心じゃ」
「うん解ってる、彼女の笑顔は僕の好きな笑顔じゃない」
「ふぅー♪臭い言うよねぇー」
「あっいやだって!」

ニヤニヤする御園サン、夕方での出来事が嘘みたいだ。

「ホント無理しなくてもいいのに、あんな事があって大変なのに」
「アレだけきつく怒鳴れば誰だってへこむよね」

「何言ってんの?貴方の安い怒号でへこむあの子じゃないわ」

顔をポカーンとさせる彼女、安いは余計だ。

「そうじゃなくて、オバサンの事故の事よ、まさか行き成り、人生の大半はトラブルとは
言うけど。」

オバサンの事故、僕は昨日トイレから戻る時に偶然見かけた、杏とおぼしき少女がある病室で、丸くなっているのを、あれはやっぱり。

「それじゃーやっぱりアレは杏、そっかオバサンが」
「今朝何て、オジサンと二人でバタバタしてて大変だって言ってたわ」
「そう、なんだ、でも良く明るく振舞ってられるよね。」

「うん、その台詞そっくりそのまま、休み時間にあの子に言ってやったよ」
「で、何て?」

御園サンは一呼吸入れて、ゆっくりと口を動かす。

「健気にもほどがあるわ、女の私ですらキュンと来てしまった」


上を向いて歩かないと、くよくよして逃げていたって何も始まらない

これだけの不幸な目に遭ったんだ、この先は良い事が起きる筈

大丈夫、苦しいこと、悲しいこと何て、一時の事

憂鬱な雨も、何時かは晴れ。素晴しい青空を見せてくれるようにねっ!


「っ……」

稲妻に振り落とされるかの如く、激しい衝動に駆られた。

「以前、お母さんが私に言ってくれた事があったのって、笑ってたけど、ホント…」

杏、君って人は…

「うぃーーす!お待たせー」

僕は、咄嗟に戻ってきた杏に顔を向ける。

「?どったの、そんな険しい顔して」

変わらぬ笑顔

僕は、僕は……



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