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寝取りの騒ぎ、宵の両国
【歴史物 官能小説】

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寝取りの騒ぎ、宵の両国-9

やつは茶臼、後ろどりと体位を変え、攻め続けた。女は何度も気をやり、ついには身体が大きく跳ねる始末。勢い余って外れた男根からは夥しい 精が噴出していたが、それでも大魔羅は萎えることを知らず、飽くなき快楽を求めて女陰へと潜り込んでいった。絶倫とはこのことか。やつの 怒張は見た目も精力も化け物だった。

凌 辱は延々と続いたが、次第に権造は乱れ狂う女が女房のお咲に見えてきた。

(お咲もこいつに嵌(は)め倒されたというのか。この、とてつもない魔羅で何度も何度も気をやったというの か)

権造は勃然と化け物に対し殺意を抱いた。その時である、銀助と平六が足音を忍ばせて滑り寄って来た。

「親分、踏み込みやすか?」

「あたりめえだ!」

障子を蹴り倒すと、権造は化け物に躍りかかった。女の悲鳴、化け物の喚声、権造の怒号が入り乱れた。化け物は かなりの抵抗を示したが、平六と銀助が左右から手足を取り押さえた。権造はじたばたする化け物へ馬乗りになると、固く握った拳で顔を殴り つけた。幾度も殴りつけた。さすがに懐に隠し持っていた十手は振るわなかったものの、石と化した拳は強烈だった。まぶたが腫れ、唇が裂 け、このままでは殺してしまうと危ぶんだ平六たちが権造にしがみつき、その暴行を押しとどめた……。



 半刻後、ぼろぼろになった化け物は近くの番屋で詰問責めにあっていた。やつは初め、脅されてもすかされても 押し黙っていたが、権造がまた拳を振り上げると、ようやく話す気になったらしい。腫れ上がった唇からつぶやくような言葉が漏れた。

「私は時津屋の主の長兵衛と申します。長年、薬種問屋の商いをしておりますが、密かに精力剤の調合もやってお りました。ある日偶然にも南蛮の秘薬が手に入り、それを自分の薬と混ぜ合わせて服用(の)んでみますと、思いもかけない事が起こりまし た。ふぐりが重いほど肥大し、魔羅がとてつもなく大きく勃つようになったのです。さらに、押さえきれない下半身の疼きが沸き上がり、気が 付くと夜の町に飛び出していたというわけです」

長兵衛はうつむきながら、なおも言葉を続けた。

「初めに押し入ったのは、あみ福のおかみの所です。あの界隈では評判の別嬪でした。抵抗されても素早く目隠し をし、細腕を引っ張り、滾った魔羅を握らせました」ここで長兵衛の血の滲んだ唇が笑いにひきつったように見えた。「両手で魔羅をまさぐる ように命じると、やがて、大きさを実感したのでしょう。おかみは、へなへなと腰くだけになってしまいました。そんな女を裸に剥くと、さん ざん触りまくり、舐め回しました。開(ぼぼ)が十分濡れたところで魔羅を入れようとしましたが、これがきつくてなかなか入りませんでし た。ようやくのことで半分ほど入れると、おかみはもう軽く気をやっていました。驚きましたよ。この私があんなに簡単に女を逝かせるなんて ね。でも、驚きはその後も続きました。魔羅が大きい分締め付けもきつくて、私はすぐに果ててしまったのですが、持ち物は萎えるどころか硬 さを保ち、いくらでも女を攻めることが出来たのです。九つ(午前0時)から明けの七つ(午前四時)ころまで、樫の木のような魔羅で攻めま くりました。おかみは何度も気をやり、……十までは数えていましたが、あとは分からなくなりました。私も数えきれず精を放ちましたが、涸 れることなく湯水のように後から後から子種の汁が湧いてくる感じがしました。放つたびに快感が増してくるので、なかなか交合を止めること が出来なかったのです」

平六と銀助は、とても信じられないという顔で話を聞いていたが、権造だけは唇を噛みしめていた。

(信じられねえ話だが、おれがこの目で見たとおりのことを語っている。こいつの魔羅はとてつもない大きさで、 何度精をぶちまけても、へたりこむことを知らねえ本物の化け物だ。……秘薬だか何だか知らねえが、こんな化け物をのさばらせておいては江 戸中の男が泣きを見る)

すると平六が長兵衛の頭を小突きながら訊いた。


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