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寝取りの騒ぎ、宵の両国
【歴史物 官能小説】

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寝取りの騒ぎ、宵の両国-10

「おめえ、何でわざわざ人の女房や年増ばっかり狙ったんだよ。若い娘っこのほうがよっぽどいいだろうに」

長兵衛の腫れ上がった目が笑いにゆがんだ。

「それはあなたの勘違いですよ。確かに若い娘は見た目が綺麗だ。肌もみずみずしい。だがね、経験の浅い、本当 の愉悦を知らない女と寝てもつまらないではないですか。だいいち、私のでか魔羅が入らない。よしんば入ったとしても、痛がってしょうがな いでしょう。私は可憐な花よりも、熟した実のほうが好きですね。巨根を十分味わえる、交合の醍醐味を知り尽くした女の、脂(あぶら)の 乗った身体を攻め立て、深い悦楽の地獄を際限なくさまよわせる……こたえられませんね」

異様な目の光りを見て、平六は思わず後ずさった。かわりに銀助が身を乗り出した。

「おい、長兵衛。津軽越中の殿さんの奥方を犯ったのも、ひょっとしておめえか?」

「そうですよ」

長兵衛は完全に開き直ったようだった。

「どうやって上屋敷なんかに潜り込めた?」

「私は薬種問屋の主ですよ。上屋敷へは何度も出入りをしております。特に津軽の奥方様にはご贔屓(ひいき)に して頂いておりました。私の所には町医者にも滅多に手に入らない血の道の特効薬がありますからね」

「商売をしながら奥方を値踏みしてたってわけかい」

「ええ……、あの奥方様は雪国育ち。少々年増でも、抜けるような色の白さは魅力的でした。商売の後、帰るふり をして縁の下に身を潜め、夜になってから寝所に忍び込みました」

「見張りはどうしたんだ?」

「昼間の私の手みやげの菓子を食べて、奥女中たちは皆腹痛で寝込んでいました。……そう、毒入りの菓子を食べ てね。幸い奥方様だけは女だてらに辛党ときたものだから無事だったわけです。かわりに私のでか魔羅の毒気に当てられてしまいましたがね」

長兵衛はにんまりと笑った。

「奥方の年はいくつだ?」

「四十の少し手前でしょうか」

「けっ、おめえも物好きだなあ」

「先程も言ったでしょう。私は熟れた実が好みなんですよ」

銀助はあきれ返ったが、長兵衛はなおも語った。

「そうそう、そういえば一人だけ花と実を兼ね備えた女がいましたよ。あれはどこかの岡っ引きの女房だったか な」

権造の眉が跳ね上がった。

「まだ若いのに、しっとりとした色香を漂わせ、ふるいつきたくなるようないい女でした。岡っ引きの家に上がり 込むのは少々度胸がいりましたが、亭主の留守を見計らい、うまく忍び込みましたよ。女は目隠しされても、私の腕にみみず腫れができるほど 激しく抵抗しましたが、所詮男と女の力の違い。ねじ伏せて裸に剥き、愛撫を念入りにしてやると、次第に突っぱねる腕が弱々しくなり、私の 大きな魔羅を握らせると、やはり、途端に大人しくなりました」

肩を揺すって声もなく笑う長兵衛を、権造は物凄い目つきで睨みつけていた。

「あの女はしなやかな柳腰だったが、女陰も柔軟で、私のでか魔羅を初めは痛がっていましたが、すぐになじみ、 張りのある白い肌を桜色に染めてよがりました。私もいつもより興奮し、その夜は十回以上も子種をまき散らしましたよ。女は激しく気をやり 続け、寝間の中をのたうち回っていました」

権造はギリッと歯ぎしりをし、平六と銀助は慌てて長兵衛にそれ以上話すなと手を振った。だが、長兵衛は言って はならぬ言葉を発してしまった。


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