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LADY GUN
【推理 推理小説】

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明かされる全貌-9

 そしてすぐに若菜の顔が引き締まる。いよいよ本題に入るからだ。
 「神について色々聞いたけど、今度は新しい神について教えてもらおうかしら。」
 「はい。」
矢沢は素直だった。若菜の洞察力には嘘はつけないと判断したからだ。
 「田口徹は湯島武史とどうやって出会ったの?」
 「湯島さんの最終目的は幼い頃にイジメを受けた海老川優里への復讐…海老川優里をレイプする事でした。湯島さんがいよいよ海老川優里に目を向けると、彼女は小学生の先生をしてました。その生徒に田口徹はいました。皮肉っていうか偶然と言うか、田口徹も同級生の女の子にイジメを受けていたんです。きっと湯島さんの胸中は穏やかではなかったはずです。海老川優里にイジメを受けていた日々が蘇ってきた事でしょう。湯島さんはプランを変更しました。計画の中に田口徹を組み込みました。そしてイジメ現場に現れイジメをしていた女子達を田口にレイプさせたんです。」
 「小学生にレイプをさせた?なんていう人間なの…!?」
 「きっと幼い時の自分を田口に被せていたのでしょうね。レイプする田口を尋常でない目で見てました。それから湯島さんは暫く田口を可愛がっていました。それから間もなく俺は足を洗い、そして間もなく湯島さんもレイプから手を引いたんです。その辺の事情は良く分かりません。湯島さんはあくどい女から巻き上げた金や、それまで撮影した写真や動画を、俺がいなくなった後に腹心としていた高田道彦に全て託しました。併せて田口の面倒も高田に頼み、それからは高田を中心にそれまでより派手ではないにしろレイプを繰り返したと聞いてます。その時、一時期失踪していたマヤヤ様が突然現れ中央署に復帰しました。それは高田や田口を警官として監視をして欲しいと湯島さんに託されたからだと聞いてます。危ない道へ進みそうになったら止めてくれと。実際警察には内緒で勤務時間外に高田らの集まる場所にたむろしていたみたいでしたから。でもマヤヤ様の手におえなくなり、それにあんな事もあって湯島さんはマヤヤ様に警察を辞めて姿をくらますように言ったんです。今マヤヤ様がどこにいるかは分かりません。それが俺が知る全てです。」
 ようやく湯島武史と田口徹、高田道彦、渡辺麻耶のつながりが解明できた。これは大きな前進だった。ひとまず矢沢への聴取を終えた。
 大きな成果を得て田口逮捕への道が近くなった。道が開けて希望が見えたはずなのに若菜の心は何故か晴れなかった。何かが引っかかるのだ。
 (何だろう…。何かが引っかかる…。聴取の中で何か大切なものを見落とした気がする…。)
どうしても思い出せなかった若菜。そんなモヤモヤとした気持ちを抱えながらいよいよ明日、神と呼ばれた男、湯島武史のもとへ行く決断を下した若菜だった。


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