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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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彼の涙-2

「それじゃー書記は長谷川、頼んだぞ。」
「はいっ!頑張りますっ!」

生き生きとした口調でそう答える絆。最近の絆はとても明るい(と言っても私には及ばない)それはあの日の夜、「君の不安や恐怖を丸ごと包み込んであげる」と誓った事が、その場しのぎの嘘や出任せでは無く、しっかりと想いのこもった言葉である事実を証明するモノ……。

授業でも積極的に手を挙げ、周囲の人も彼と親しい人を中心に開いた口が閉じない状況であり。とは言え体が病が軽くなった訳では無く、今だちょっと走っただけですぐに息を切らし。でも心は大きく軽くと言うか吹っ切れた感じで、彼は私の為に、何より自分自身の為に目線を床では無く、人を、前に、置くようになり。


「へぇーデパートでそんな催しモノが」

私たちが良く行く地元デパートにて、絵画展のイベントが開催されており、絵画に情熱を燃やす美術部長サンはそういった行事をネットや雑誌やらで見つけ、休日の予定に立て当日には目を輝かせ、そのゲンキンな足取りで愛しの絵が並ぶその場所へ向かうのだ。
 その催し物に私も連れて行ってくれて、今だ絵画の味が理解出来ないで居る私に対し彼は珍しい動物でも見つけたかの如くその絵に釘付けとなり、展示される絵一つ一つ見逃す事無くじっくりと見つめ。その様子から彼はただ絵を観て楽しんでる訳じゃなく、その絵
を観た上で色々と学び吸収しているのが伺える。

「私も付いて行って良いの?」
「勿論だよっ、最近色々あってまともに君と付き合って無いから、一杯楽しもう!」

そう口にする彼は、頬を赤く染め自信に満ちている感じだ。

向こうからボールを床に弾く音を耳にし、それまで肩を並べて歩いて居た彼が、その音のする体育館へ向かった。
 休み時間の合間に彼とソコソコ親しい男子達が、昼休みにバスケをする話をしているのを耳にし、彼らの輪に積極的に近づき、自分も混ぜて欲しいと頼んだらしい。

「あんまり派手に動くんじゃないよーっ!」
「解ってるー、じゃまた!」

晴れ晴れとした顔つきで体育館へ走って向かう彼の背中に軽い警告をし、それに対し彼も
軽く答え、去って行った。







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