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LADY GUN
【推理 推理小説】

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先輩は正しかった。-1

 いなぎ市中央署に連行された矢沢と亮子。2人の確保はトップシークレットであった。所員には箝口令が出された。いなぎ市中央署だけの問題ではない。警視庁全体的の問題であるからだ。
 亮子は全く意識を戻さなかった。念の為ドクターを呼び寄せ待機させた。一方の矢沢は激しい動揺と酔いのせいか、吐き気が止まらなかった。取り調べ室は嘔吐物の酸っぱい異が立ち込めてしまう程だった。そんな状況から2人の取り調べは翌日に持ち越される事になった。
 時間はもう0時を回った。ひとまず渚を除いた若菜、杏奈、石山、俊介はホテルに戻り今夜は休む事にした。特に石山は若菜を気遣った。ずっと二人三脚で捜査をしてきた仲だし、それに危険とまで思えるような捜査をしたのだ。精神的疲労は誰よりも一番良く知っていたし、自分が若菜を気遣うのはホテルに着くまでだという事も知っていたし、またホテルについてから若菜の支えになるべき人間も知っていた。
 それぞれの部屋に戻る。若菜は部屋に入るとベッドの上に寝転がり天井を一点に見つめていた。俊介は亮子逮捕時に疲労困憊していた若菜が気になっていた。少し考えたが部屋を出て若菜の部屋に向かう。携帯で連絡しドアの前に立つとすぐに鍵が開いた。
 「大丈夫か?」
若菜はコクっと頷いた。そしてベッドに腰をかける。俊介は椅子に対面で座った。
 「疲れた?」
 「うん。今日はいきなり色々ありすぎて疲れた。」
予想外の収穫に若菜は気を張り捜査を一気に進めすぎた。しかし疲れたのはそれだけが理由ではなかった。若菜は少し間を置いてから俊介に言った。
 「私ね、亮子を逮捕する為にね、矢沢と寝る事を覚悟で部屋に入ったの。」
 「えっ?」
「部屋に入って拒否したら怪しまれるし亮子を呼び出して貰えないかもしれない。追い求めいたリョーがすぐそこにいる…。私はどんな事があってもこのチャンスを逃したくなかったの。だから抱かれるのにも耐えようと思った。」
独り言を言うようにしょぼくれた声で言葉を口にする。
 「抱かれはしなかったけど、愛撫された。胸を揉まれた。乳首を摘まれた。アソコを触られた。指を入れられた…。そして…濡らされた…」
 「な、何だって…?」
まさかそこまでしていたとは思っていなかった俊介は思わず立ち上がる。
 「どうしてそこまで…」
絶句する俊介。若菜はゆっくりと視線を上げて俊介を見つめる。
 「矢沢なんかに触られたくなかった。好きでもない男に体を触られるなんて絶対嫌だった。そんな男に声を出して感じるなんて絶対…。でも胸を揉まれて乳首いじられて堅くなった。アソコをいじられてたくさん濡れた。感じてしまって声を出してしまった。でも心は張り裂けそうだった。」
 「…」
若菜の目から涙が流れた。しかしじっと俊介を見つめながら口を開く。
 「やっぱり先輩は間違ってなかった。俊介さんだって。どんなに嫌な相手にでもする事されたら体は反応してしまう。でもずっと心は張り裂けそうだった。心の中に浮かんだ大切な人にずっと謝ってた。愛してる、愛してると何度もその人を思い繰り返し言ってた。私、やっとわかりました。先輩の愛情が本物だったんだって。俊介さんだってそうです。体は奪われても心は奪われない2人の愛情は本物だったんです。それをこの体で確かめられたのが、もしかして今日一番の収穫だったかも知れません。」
 「わ、若菜ちゃん…、まさかそれを俺に分かって貰いたくて大人しく矢沢に…!?」
若菜はニコッと笑って言った。
 「自分の為です。」
そんな若菜を見て俊介は無意識に若菜を抱き締めていた。
 「自分を大事にしてくれ…。」
若菜はゆっくりと目を閉じ答えた。
 「はい。ごめんなさい…」
と。


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