ソノゴ-11
「リュディヴィーヌ、私と……結婚して下さい」
差し出した小箱を開けると、そこには指輪が収まっていた。
シンプルながらも技巧をこらした指輪は、リュディの指に良く映えそうだ。
「……慎んで……お受け致します……ランスロット様」
リュディは小箱をランスの手ごと両手で包み、涙を流したまま微笑む。
安堵の笑みを返したランスは、立ち上がって小箱から指輪を取り、リュディの左手を取った。
「緊張しますね」
「ふふ……指、間違えないで……下さいね?」
からかうリュディに少し膨れっ面を見せたランスは、震える手で何とか左手薬指に指輪をはめる。
「ありがとう……ございます」
リュディは左手を上げて、ピッタリだと微笑んだ。
その手をもう1度取ったランスは、指輪に唇を落とす。
「ぁ」
それだけなのにビリビリっと指が震えて、背筋までぞくぞくしてしまい思わず声が漏れた。
緑色の目だけでリュディを見たランスはにこぉっと笑い、唇を手の甲、腕へと移動させる。
「ん」
ビリビリが身体の中心に集まって熱くなっていく。
肩まで来たランスは、リュディの頬を片手で包み自分の方へ向かせて軽く唇を合わせた。
少し離れると目が合ってしまい自然と笑みが零れる。
「愛してますよ、リュディヴィーヌ」
「私も……愛してます……ランスロット」
「貴女の美しい髪も、白い肌も、しなやかな身体も、麗し……」
ありったけの褒め言葉を紡ぎだしたランスの口を、リュディは自らの唇で塞いだ。
「っ?!」
「それ以上は……嘘っぽいです」
ランスが嘘をつかないのは知っているが、言葉よりも態度で示して欲しい……と、リュディはランスの首に腕を絡めて積極的にキスをする。
「ふ リュディヴィーヌ……相変わらず ですね」
やると決めたら行動が早いリュディは、喉で笑いながらランスごと移動してラッピング用の小さいテーブルに押し倒した。
「愛して……下さい」
小さく囁いて覆い被さってくるリュディを、ランスはしっかりと両手で抱きしめてキスを返す。
「ん ぅ」
「はぁ ぁ んく」
リュディから注がれる甘い唾液をたっぷり味わい、背中に腕を這わすとしなやかな身体がヒクリと反応した。