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死の森の王国
【ファンタジー 官能小説】

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第2話 @ロサミア・アビゲイル-4

「がはッ…、はぁあ…はぁあ…はぁあ…」

ロサミアはようやくまともな呼吸にありつけた。自ら出した小水溜まりの中で荒々しく肩を上下に揺らして、思い切り息を吸い込んでいる。ようやくありつけた呼吸のおかげで、ロサミアの濁った頭は徐々にだがクリアになっていった。

「ココーブ、かまわないよ。私が警護を断ったんだ。キミのせいじゃない」

騒ぎを察し、慌ててやってきたココーブは将軍の隣まで来ると、身体を小さくし震えていた。無念と怒りとごちゃまぜの表情で、じっと尿溜まりの中でうずくまるロサミアを見つめる。

「警備の抜かりです、将軍…。この程度を見逃すなどあってはならないこと…。

ココーブは震える声で言った。その後、ココーブは将軍の顔をまともに見ることができぬず、ただ頭を下げ、じっと動かない。

「いや、いいんだ。カリエの飼ってるメスが逃げたんだろう」
「クソッ!カリエでしたか!」

ココーブは顔を上げると、憤怒の表情のまま剣の柄に手をやった。

「ココーブ、いいんだ。カリエには私から言っておく。女はそうだな、木偶のエサにでもすればいい。十分に弱らしているから、木偶一匹でも大丈夫だ」
「将軍がそうおっしゃるなら…。」

ココーブは剣の柄を離した。離すと同時にココーブの顔から憤怒の表情が消え、元の忠実な側近の顔に戻っていた。

「行こうか、ココーブ」
「はッ!木偶、この女を処理しておけ!」

ココ−ブは共にやってきた木偶にそう命じると将軍とともに回廊をあとにした。残されたのは、尿溜まりにうずくまるロサミアとココーブが飼っている単眼の巨人だけだった。


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