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死の森の王国
【ファンタジー 官能小説】

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第2話 @ロサミア・アビゲイル-1

ピル将軍は城壁の回廊から外を眺めていた。遠くに切り立った山々の稜線が見え、その麓には鬱蒼とした深い森が広がっている。

ピル将軍がアルアに戻り、数年が経過した。不安定だった帝国も徐々に安定を取り戻し、帝国内でのピル将軍の存在感は希薄になっていった。定期的に訪れる帝国からの使者は徐々に数を減らし、密偵たちの報告を聞く限り、将軍への警戒感も薄れてきているようだ。

「将軍、ここでしたか」

城壁塔から現れた男が回廊に佇む将軍に声を掛け、近寄ってくる。彼はピル将軍の側近で、ココーブ・ステラロリエといった。ピル将軍はココーブを無視し回廊から外を眺めていたが、ココーブは構わずピル将軍の元に行き、自らの義務を実行する。

「将軍、報告します。城内にひとり、不穏分子がいるようです。詳細は不明ですが、どうも将軍の命を狙っているよう……」

ココーブがそこまで言うと、将軍はココーブの前に手の平を突き出して、ココーブの言葉を制した。

「かまわない、放っておけ。私の命を狙っているというなら、そのうち私の前に現れる。」
「しかし、ひとりとはいえ危険かと思われます、警護の者を……」

将軍は目を怒らせ、ココーブを睨むと、ココーブはそれ以上なにも言わなかった。

「それより、カリエを呼んできてくれないか?」
「はッ!了解しました!」

ココーブは一度敬礼すると、すぐさま踵を返し、城壁塔に消えていった。まもなく、城壁塔からカリエが現れた。

「将軍、なにかご用で…?」

小男のカリエ・ニコスラービエは怯えた表情でで将軍の顔を覗き込む。

「女の数は足りているのかね?」
「はは、そんなことでしたか!ええ、今のところ十分足りております!」

カリエは安堵の表情を浮かべ快活に返事をした。そして、今度は安堵したカリエが将軍に質問する。

「しかし、なぜそんなことをお尋ねに…?」
「もうじきここにくるんだよ、女が。足りているのなら結構だ。聞きたかったのはそれだけよ、カリエ。下がってくれ。」
「はッ!失礼します!」

カリエは返事をすると、すぐに姿を消した。


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