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変容
【教師 官能小説】

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陥落-4

「ハァ、ハァ、ハァ…」

 未だ去らぬ絶頂の余韻に浸りながら、肩で息をつく恵。全身は汗ばみ、両足はだらしなく開き、丸見えの陰部は自身の愛液でしとどに濡れそぼっている。

 肛門まで繁る陰毛の黒と小陰唇の濃い紫、腟口周囲のぬめ光る赤が、恵の股間で卑猥な花を咲かせていた。


 男はしばらく何もしないままベッドに腰掛け、恵のいき果てた姿を眺めていたが、恵の呼吸が整い出すと再び恵の頭を掴み、強引に引き寄せて半開きになった唇に己の唇を重ねた。

 半秒ほどの接触。

 今回も舌は入ってこなかった。

 
 男は掴んでいた髪を離すと、身を屈め、仰向けになった恵の耳たぶを軽く噛んだ。

「あっ…」

 耳は恵の性感帯だ。自然と声が出る。
 男は耳から首へとゆっくり舐め下ろす。本来なら鳥肌が立つほど気持ち悪いはずのその行為が、何故か今は性感を刺激する。
 側頸部から鎖骨を経て、胸へと滑りゆく舌先。その先には…。

「イヤ…」

 力なく呟く恵だが、男の頭は止まらない。恵の小さな胸の中心にある突起に向けてゆっくりと降りてゆく。
 さすが経産婦と言うべきか、恵の乳首は焦げ茶色で大きめだ。乳輪は小さいが、やはり色は濃い。申し訳程度のふくらみにポツンと立つそれは、まな板の上に熟したイチゴを逆さに置いたような光景だった。

 男は乳房の外縁から乳首に向かって螺旋を描きながら何度も舌を這わせる。

「ん…」

 やっと落ち着き始めた性感が再び高まり始めた。

 男は胸を攻めると同時に右手を恵の陰部に向かわせた。恵のそこは乾ききってない愛液でぬめっている。男の中指が腟口に潜り込んだ。

「あぁっ!」

 指が入り込む刺激に声を上げる恵。
 先程と違って男の指はより奥を目指して侵入していく。その速度はあまりに遅く、秒間数ミリほどだが、恵の膣を内側から外側に押し広げるようにジワジワと腟壁上部を這い上がる。
 男は恥骨の硬さを指腹で感じながら、その途切れた箇所で指を止めた。

 わずかながら盛り上がりをみせているそこは、腟口からおよそ3センチ弱の恥骨上縁…俗に言うGスポットだった。

 恵の身長は150センチ。はっきりと小柄だ。その体型に比例して、恵の膣内腔は狭く短い。通常なら腟口から4、5センチはあるGスポットが恵の場合は随分手前だ。
 男はそこを指で軽く圧迫した。

「ああっ…!!」

 下半身が甘く疼く様な感覚に声が漏れる。
 それは恵が初めて知るものだった。

 恵の夫は結婚、2回の出産を経て、元々そんなに上手くもなかった愛撫が段々と雑になっていった。加えて、腟の前後径が短い恵は、夫の大きめのペニスで思い切り奥を突かれると内臓を突き上げられるような痛みが出るため、自然とセックス自体を敬遠するようになっていった。
 夫も、実年齢より軽く十は若く見える妻に、未だに欲情しはするが、自身が仕事で疲れている上に、あまり奉仕をしてくれない恵を抱く頻度は年々下がり、結婚12年目の今では、月に1度有るか無いかだった。たまにあったとしても、隣に二人の子供が寝ているので激しい動きはできない。ほんの少しの前戯と挿入が数分のみの至って淡泊なものだ。
 それらの理由から、恵の身体は性的開発を施されないまま放置されている状態だった。

“これは何?”

 男は指先で恵のGスポットを間欠的に圧迫している。
 その度毎にそこを中心として広がる快感の波紋。

 その気持ちよさはクリトリスの刺激で得られる鋭い快感とは全く違い、鈍く、大きく、じんわりと広がるものだった。

「あっ…い…」

 男の指が圧迫を繰り返すたびに下腹部全体に広がりゆく快感。それは次第に積み重なり、恵の身体に満ちてゆく。

 男はゆっくりと指を動かしながら、恵の乳首を舐め転がした。

「ああっっ!」

 自分が思った以上に大きな声を発したことに驚く恵。
 夫とのセックスでは感じている演技をすることが多かったが、今は逆に感じていないフリをしなければならなかった。しかし、それが思ったようにできない…。

“「感じないように」と意識すればする程、逆に快感に対して敏感になるものなのさ。”

 男は空いている手を恵の唇に当て、軽く指を曲げる。半開きになっている恵の口に指先を入れ、そっと舌先に触れた。その上で、Gスポットを押している指先を細かく振るわせる。

 『振戦』といわれる按摩の技法の一つだ。

 前腕の拮抗筋同士をミリ秒単位で交互に緊張させることで、大小様々なバイブレーションを作り出す。
 かなりの訓練が必要であり、エネルギー消費も大きい為、臨床で使えるほどに習熟した按摩師はほとんどいない。稀にいたとしても持続時間が短いか、振幅が大きすぎるか、振動数が少ないかのどれかだった。

 しかし、その高難易度の技を男は驚くべきレベルで使いこなしていた。男の技の正式名称は『示指腹可変圧圧迫振戦』。難しい振戦の中でも、超高難易度の技だった。



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