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LADY GUN
【推理 推理小説】

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セックス-2

 俊介はコーヒーを入れ運んで来た。
 「ん?若菜ちゃんブラック飲めたっけ??」
砂糖もミルクも入れずにコーヒーを飲む若菜に言った。
 「先輩はブラックばかり飲んでいたんで私もそうしたんです。初めは苦かったけど、今ではもう平気です。」
 「そうか…。」
俊介は平気で静香の事を口に出来る若菜が羨ましかった。俊介にはまだまだ抵抗がある。そんな俊介に若菜は遠慮しない。
 「今でも先輩を愛してますか…?」
ドキッとする質問だ。俊介は間を置いて答えた。
 「俺は…、静香があんな目に遭っているのに何も出来なかった…。お前を守る…、何度も静香に言った事がある。しかし俺は口だけだった…。あいつに犯される静香を俺は…」
涙が浮かぶ。恐らくずっと自責して苦しんでいたに違いないだろう。若菜はじっと見つめていた。
 「静香が撃たれ、死ぬ間際に俺の方を一度も見なかった。静香は若菜ちゃんの事だけをじっと見ていた。それは俺が静香以外の女にくわえられ下半身を大きくしてしまった事が許せなかったのかもしれない…。情けないよ。あんな状況で…射精まで…。きっと情けない口だけの俺に怒ったんだろうな…。仕方ない。俺は何も出来なかったんだ。そんな俺が今でも愛してるだなんて…言えない…。」
そう言った俊介を見つめていた若菜の表情が豹変する。
 「それ、本気で言ってるの…?」
 「えっ…?」
若菜の冷たい視線が突き刺さる。
 「本気でそう思ってるなら、あなたは大馬鹿だわ…。」
若菜は怒りで声と体が震えた。
 「俊介さん、自分の事しか考えてない。先輩の気持ち、全然考えてない!!」
声を荒げる若菜を目を泳がせながら見つめる事しかできない。
 「大好きな人の前でレイプされてしまった先輩の気持ち…分からないんですか!?先輩は本当は私になんか介抱されて最期を迎えたかったんじゃない…俊介さんの腕に抱かれたかったに決まってるじゃないですか!!怒って目を合わせたかったんじゃない…。レイプされてる姿をあなたに見られて悲しくて悲しくて、そして申し訳なくてあなたを見れなかったに決まってるじゃないですか!?先輩はきっと今でもあなたを愛してる。なのにあなたは…あなたは…」
悔しさで涙が浮かぶ。俊介の口から愛してるという言葉が出てこなかった事が許せなかった。
 「先輩は…あんな姿になってまであなたを守ろうとした…。そんな先輩を今、守れないあなたは…最低です…」
肩を震わせ涙を流す。しかしその瞳はやるせない怒りに満ちていた。その怒りの瞳に命の危機さえ感じさせられた俊介。
 「お、俺だって…俺だって…!畜生!!田口ぃぃ!!」
机を叩きつける俊介。あの事件以来、初めて感情が動いた。
 「今でも忘れられない…。頭から離れない…?静香の事が忘れられない…。俺は静香が死んでまで彼女を守れないのか…。情けないよ…。悪かった、若菜ちゃん…。俺は…俺は…今でも静香を愛してる…」
 「当然です。じゃなきゃ私が許しませんから…。」
涙は残したまま笑顔に表情が変わった。そんな姿が俊介の胸を打つ。俊介は喚きながら泣き続けた。しかし今まで離れなかった苦しみが体からスッと抜けたような気がした。抱え込んでいた苦しみから解放された瞬間だった。俊介が涙を枯らすまで若菜は一緒に涙を流していた。


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