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イグアスの滝に蝶が舞う
【その他 官能小説】

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イグアスの滝に蝶が舞う-2

3.
ホテルに戻ると、庭のはずれに塔があり、その上に登れば滝がよく見えると言う。
その塔は何のために建てられたのかよく分からないが、つくりは海岸にある灯台そっくりで、塔の中の螺旋階段を登っていくと、見晴らし台に出る。
恐る恐る壁に沿って一回りをすると、なるほどさっき行った滝の辺りから、周辺の景色が一望に見渡せる。イグアスの濁流を河口のラプラタ河に運ぶパラナ川、その対岸、アルゼンチン側のホテル、熱帯雨林の連なり。
塔を降りて、庭の淵伝いに戻ってくると、小さな案内板があり、ここから、滝つぼまで階段で下って行かれると書かれてある。上から覗くと、材木で補強をした細い階段が下の樹林の中に消えている。
「カルロス、行くのはいいけど、戻ってくるのが大変ねえ」
「そうだねえ、でもせっかくのチャンスだから、行けるとこまでいってみないか? 帰りは、後ろから君のお尻を押してあげるよ」
カルロスは、アナマリアの手を取り、腕を抱えると、一歩一歩ゆっくりと、階段を下りていく。アナマリアの乳房が、カルロスの腕にヤワヤワと擦れる。
「下に着くまでに、好い気持になってしまいそう」
 アナマリアは、嬉しそうな声を上げる。
半ば降りてきて、見通しが開けると、間もなく階段は、水際の小道に到達する。
滝の水音を頼りに小道を辿ると、やがて轟々たる響きと共に、水煙を上げて落下する滝の下に出た。
先刻、上から見下ろした滝を、下から見上げる形になる。微細な土を含む濁流は、いわゆる泥水色で、この水は河口のラプラタ河まで澄む事がない。このため、ブエノスアイレスでは、海水浴は出来ないのだ。
観光客を乗せたモーターボートが、濁流の落ち込む滝つぼに挑戦して、近寄っては離れ、離れては近寄る。その度に乗っている乗客は、キャーキャーと大声を張り上げる。雨具をつけた乗客も、ボートも、水しぶきを浴びてずぶ濡れだ。
アナマリアもカルロスも、借りてきた雨具を頭から被り、滝つぼを囲む手摺まで近づく。カルロスがアナマリアの腰を抱くと、アナマリアはカルロスにしがみつく。
「もういいかな」
「もう十分よ」
カルロスは、アナマリアの腰に腕を回したまま、来た道を引き返す。
階段の下まで、ほぼ半分まで戻ったところで、左に折れる獣道のような小道を見つけた。下草が踏みつけられた後があり、何とか人が通れそう。
「一寸、ジャングル探検しようか」
「いいわよ」
30メートルほど小道を辿ると、やがて滝の水音も遠のき、鬱蒼とした熱帯樹林の中に二人だけが取り残される。ここからは滝も、他の観光客を見えないし、向こうからもこちらは見通せない。
樹林を通して、落下する滝の轟音が、くぐもって聞こえる。覆い茂る樹葉の天蓋から、遅い午後の日差しが、ちらちらと漏れてくる。
カルロスは、アナマリアを引き寄せ、思い切り抱きしめた。
ジャングルの中で、二人きり。
(この世で、君ほど愛しいものはいない。おお、アナマリア、僕のアナマリア)
カルロスは、隔絶された世界で、アナマリアへの想いを一層募らせた。
唇を吸い、胸を摺り寄せる。差し込んだ舌を、アナマリアが吸う。はだけた胸元から、手を差し込む。汗で、しっとりと潤んだ肌が、指に心地よい。指先が、乳首に触れると、アナマリアは身を捩る。胸元から立ち昇る、アナマリアの匂いに誘われて、ペニスが疼く。
「ここで君を愛したい」


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