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FATE
【青春 恋愛小説】

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FATE NO.3-1

俺の小川への初恋が彼女の引越しで砕け散ってから4年。
両思いだったのに砕け散った。
それでも俺はまだ小川が忘れられなくて、小川が好きで・・・かなり無理をして東京の1番頭の良い国公立大学に進学した。
東京ならもしかしたら小川に会えるんじゃ?
そんな淡い期待の為だ。
小川に会いたい・・・小川に彼氏がいても良いんだ。ま、まぁ・・・そりゃいない方が良いけど。
でもただ・・・純粋に会って小川の顔が見たい、声が聞きたい、馬鹿言い合って笑い合いたい。
その一心で勉強したのだった。
ちなみに未だに陸上は続けている。
高校は駅伝の超名門校だった。
でも、高校では怪我の連続でまともな記録が残せかなかった。
そのためスポーツ推薦は全くこなかったので学力で大学に行く羽目になった訳だ。
大学は強い大学じゃないが楽しみながら陸上をしようと思っていた。

そして、大学の入学式の日・・・朝。

「ふぁぁぁ・・・んーー…8時かぁ〜…ってぅわぁ、遅刻だぁ!!」
俺は普段は遅刻しないんだが、こー言う大事な時、必ず遅刻する。
ゼリー状の食べ物を吸いながら電車に乗り込み、大学を目指す。
電車に乗車中にふと俺は気がつく。
「(ま、まずい、そーいや、俺新入生代表だ。前に立って挨拶しなきゃいけねぇじゃねぇか。)」
そう、俺はなんとトップの成績で大学に入っていた。
恋の力だな。うん。そんな事かんがえていると大学に着く。
どうやら式はもう始まってるらしい。俺が会場に入った時だった。
「新入生代表、山岡俊と・・・」
「・・・小川実香の二人出てきなさい」
学長の言葉に俺は自分の耳を疑う。
小川・・・?
俺は無心で壇上にかけあがる。
俺の横には身長1m50?くらいの女の子がいる。
その表情は驚きを隠せない様子だ。
「貴方はもしかして・・・陸上馬鹿の山岡俊?」
小川が小声で話し掛けてくるので俺は小さく頷いた。
すると小川は魂を抜かれた感じな表情をする。
無理もない・・・今の俺は身長1m82?で髪は金色で少し長め。
中学時とは全く雰囲気が違ってるから。
代表挨拶は二人ともすぐ終わり、入学式も終わる。校門近くで俺は小川を捜す。
見つけるのに、そう、時間はかからなかった。
「小川!」
「陸上馬鹿・・・」
さすが、小川・・・ロマンのかけらもない・・・
それからは色々話した。小川にこっちにきてからも彼氏がずっといなかった話や、小川の高校の頭が固い校長の話とか世間話をたくさんした。
久しぶりなのにスムーズに話せた気がした。
「あーおもしろっ。ぁー互いに色々あったんだなぁ〜てか山岡雰囲気・・・変わり過ぎ。ちょっとキモい。背も私より高くなってやがるし・・・んで?山岡はなんでここにいるんだ?」
「小川に会いたくて東京に来た・・・まさかまぁ、大学が一緒とは思わなかったがな」
言ってからしまったと俺は思った。
「(小川に会いたくて東京に来たって俺ただの変態じゃねぇか)」
俺が喋り終える案の定きまずい沈黙が訪れる。
・・・
・・・
言わなきゃいけねぇだろ?俺。自分の気持ちを。「・・・私の山岡への気持ちはまだ変わってないんだ・・・だから私に近づくな!お前が近くにいると片思いしてる私がつらいんだ・・・じゃあな。」
「俺もつらい!」
自分が思っていたより大きな声が出る。


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