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変容
【教師 官能小説】

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変心-6

 肉茎が震え、膨れあがるのを感じた時、恵の口から垂れたよだれは、男の足下に小さくない水たまりを作っていた。ほとんど感覚の無くなった口内に、大量の精液が吐き出される。喉の奥に次々と発射される精液にむせ、反射的に吐き出そうとするが、しっかりと頭を固定された恵にそれができるはずもなく、喉を鳴らしながら男のザーメンを飲み下していった。男の精液で口の中がネバネバし、生臭い臭いが鼻を突いた。

 ようやく地獄の時が終わり、がっくりとうなだれる恵に、男は声をかけた。

「口で綺麗にしろ。」

 お掃除フェラという言葉を知らない恵は、ぎょっとした顔で男を見た。貧相な身体にコンプレックスを抱いている恵は、もともとセックス自体が好きでなく、夫に求められるまま、半ば仕方なく行為を行っていた。そんな恵にとってフェラチオは義務感で行うものだった。今までに口で射精まで導いた経験など無く、時間も数分もすれば良い方だった。当然、大した技術も知識も持ち合わせていない。

 嫌悪感が首をもたげる。
 しかし、それは諦めによって急速に塗りつぶされていった。

 男は最初、舌を出しペロペロと陰茎を舐め上げ、こびりついた精液をすくい取る恵を黙って見ていたが、しばらくすると頭を掴み陰茎をくわえさせた。
 恵は仕方なく再び上下運動を繰り返す。

 射精後の汚れたチンポをしゃぶる恵の姿を、男はポケットから出した小型のポラロイドカメラで撮影した。

 『カシャ』という音に、チンポをくわえたまま男を見上げた恵は、鼻の下を伸ばし、よだれを垂らしながら口唇奉仕する自らの姿を撮られたことに気づき、うろたえ、陰茎を吐き出そうとした。しかし、男は髪の毛を掴んで荒々しく恵の頭を揺さぶり、フェラチオの継続を促した。

「100分の1だ。」

 男は股間で蠢く恵の頭にそう言うと、ポラロイドが吐き出した写真を恵の足下に投げ捨てた。

「一回射精させる毎に一枚ずつ証拠写真を撮ってやる。100枚集まれば解放してやるさ。」

 再度の約束に、恵は心の底から喜んだ。もう根拠を疑う余裕など微塵も残されていない。男の言葉は唯一の希望であり、縋るべきただ一つの光だった。

 恵は肉棒をしゃぶるスピードを自ら上げていった。その動きは次第に速さを増し、それにつれて男の肉棒は、再びその鎌首をもたげ始めた。

“先ほどの射精から、まだ数分だというのに、もう…”

 夫では有り得ない回復力に驚いている恵の口から肉棒を抜くと、男は掴んだままの髪の毛を引っ張り上げ、恵を立たせた。
 150pしかない恵は、立ち上がってもベッドに座ったままの男より頭一個分高いだけだ。髪の毛を掴まれたままの恵を男は上から下までじっくり眺めた。

 セミロングの髪は乱れ、数日間の絶食で頬はこけている。涙やよだれ、ザーメンが口を中心に顔中にこびりついている。地味なブラウスはしわだらけで、ベージュのパンツは股間に小便のシミができていた。あの小綺麗で生気に満ちた可愛らしさは欠片も無い。替わってそこにあるのは、偽りの希望というエサに目をぎらつかせるメス豚の表情だった。

 音楽教師として、生徒だけでなく同僚の男性達に憧れられていた女が、見るも無惨な姿に変貌したことに興奮を覚えた男は、空いている方の手で上着の懐から細い棒状の物を取り出すと、キチキチと音を鳴らした。カッターナイフだった。

 ビクンと身体を震わせ後ずさろうとする恵だが、髪の毛を掴まれたままでは抵抗も空しいだけだ。しゃがみ込むことすらできない。

“殺される?なぜ?”

 先ほどの言葉は何だったのか?
 理不尽な死への恐怖に怯える恵は声も出せず、カッターナイフから目を離せない。ナイフはゆっくりと恵の首元に近づいてきた。最後の抵抗をみせ身もだえる恵だったが、ナイフとの距離が近づくにつれその動きはおとなしくなっていった。これ以上抵抗するとその勢いでナイフが刺さりそうだったからだ。

 そしてとうとう、ナイフの尖端が恵の喉に触れた。

 しかし、そこからナイフは先に進まず、そのまま真下に降りていった。
 ブラウスのボタンがはじけ、ブラと一体型のキャミソールが切り裂かれ、素肌が露出した。ナイフの先で服を左右に広げると、申し訳程度しかない胸が露わにされた。

 上着を脱がそうとするなら手の拘束を外さなければならない。こうする以外にやりようが無かった事に、恵は初めて気がついた。
 殺されるわけではなかったことにホッとしたのも束の間、男はナイフをしまうと、器用に片手でズボンのボタンを外し始めた。

 ズボンが下ろされ、下着が下ろされ、陰部が露出しても、恵に恥ずかしさは無かった。男の陰茎に自らしゃぶりついた時点で覚悟はできていた。…否、諦めていた。

『好きにすればいい』そう思い、抵抗もせず男の言いなりになっていたのだ。しかし、先ほどの言葉で恵の心は再び変化を遂げていた。

“あと99枚…”

 『足下にあるポラロイド写真が100枚になった時、私は自由になる。』そう思った時、恵の中に、男が1秒でも早く、1回でも多く射精してくれる事を願う心が生まれたのだ。

 しかし、恵は気づいていなかった。その心理こそ、男が作り出そうとした物であり、恵を精液便所に作り替える源であることに。


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