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アネクメネ・オアシス
【ファンタジー 官能小説】

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ケッチャク-21


「あのね?お腹空いちゃった」

「……は?」

 だったら肉でも何でも食べたら良いじゃないか。
 今ならお祭り騒ぎで食べ放題の筈だ。

「んっとね?吸血蔦に結構中身吸われちゃってさぁ……外見変わんないけど、カッサカサなの」

「……つう事は……」

「うん♪また固形物食べれなくなっちゃった」

てへっ

 パルはピロリと舌を出して照れたように笑う。

「あ、勿論イヤなら良いんだよ?疲れてるだろうし、どっかそこら辺でテキトーに……ふに?!」

 言葉を続けるパルの両頬を手で挟んで止めたテオは、表情を険しくして顔を近づけた。

「笑い事じゃねぇし、そこら辺でテキトーにとか絶対許さねぇ」

 低い声で静かに言ったテオは、パルと額を合わせる。

「熱は無ぇな……口開けてみ?」

「んぁ」

 くいっと顎を上げられたパルは、アーンと口を開けて見せた。

「……てか、診ても分からねぇが……ホント、カサカサだな……」

 パルの内側は素人目でも異常だと分かる位、明らかに水分が無く干からびている。

「だからカッサカサって言ったじゃん」

 カサカサじゃなくてカッサカサ。

「精だけで回復すんのか?コレ?」

「ん〜…クラスタに戻れば直ぐ戻ると思うし、別に生活に支障は無いんだけどぉ〜」

「……腹が減ったんだな?」

 パルの言葉を代弁したテオに、彼女はコクンと可愛く頷いた。

「くっそ……やっと食事抜きでヤれるようになったっつうのに……」

「あ、だから食事は他で……」

 肩まで落として項垂れたテオに、パルは両手を振って言う。

「アホかっ!食事っつってもヤるこたぁ同じだろうが!オレだけ喰っとけっつったろ!」

 食事でヤるのは嫌だが、他の男とパルがヤるのはもっと嫌。

「お前にだったら喰われても良い……そう言ったよな?」

「ん」

 パルは両手を上げてテオの首に抱きつくと、すりすりと頭を擦り付けた。

「アタシも、ホントはテオだけ食べたい」

 でも疲れてるだろう、でもやっぱりテオが食べたい。

「だから、襲ってみてテオが起きない程疲れていたら今日は諦めようと思ってた」

「……今日は??」

 パルの不思議な言い方にテオは顔を動かしてパルを見る。



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