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LADY GUN
【推理 推理小説】

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抑えきれない想い-2

 中央署には夕方の18時に到着した。署長に早速報告をする。
 「まさか田口がいなぎ市にいたとな…。遠くに逃げたと思わせておいてお隣さんにいたとは。得意の裏をかいたってやつか…。」
 「それもあるでしょうが、目的は原発がらみの補償金でしょうね。それがたまたまいなぎ市だったと言う事でしょう。もしここが原発補償金の対象だったなら大胆にもここで悪事を働いていた事と思われます。」
 「そうか。でも田口に近づけたのは大きな成果だ。何をしているのかも掴めたし大きな成果だ。何より加藤綾美を発見できたのは大きい。総監も喜んでいたよ。よくやった。」
 「ありがとうございます。では出張捜査報告書をまとめますので失礼します。」
石山を残して若菜は出て行った。ドアが閉まるのを見て島田が聞いた。
 「どうだ上原は?」
石山はニコッと笑う。
 「完璧ですよ、もう。あちらの署長に頼まれて、捜査の合間に現地の署員の指導も行ってましたよ。もう上原は教えられる立場ではありません。立派な指導者ですよ。」
 「そうか。うん。よくここまで立ち直り成長したもんだ。もう心配はいらないな。」
 「はい。」
石山は太鼓判を押して署長室を出て行った。それから溜まった仕事をこなす。デスクワークをしていた。1時間ほど経った頃、若菜がコーヒーを持ってきた。
 「相変わらずデスクワークが似合いませんね♪」
 「コノヤロ!」
ニコッと笑った石山。
 「しかしコーヒーなんて気が利くなんて、上原も女らしくなったな?」
 「私はずっと女らしくしてきましたよ〜♪」
昔はそう言う仕草が子供っぽかったが、やはり女らしい。大人の女の仕草だった。
 「どうする?もう帰るか?」
若菜は間を置いて答えた。
 「今日はちょっと寄りたい所があるんで大丈夫です。すみません。」
 「そっか。気をつけろよ?あ、でも今のお前ならどんな暴漢にあっても平気かもな。適う男はそうはいないから安心だ。」
 「とか言いながらいつも送ってくれる優しい石山さん♪」
思わず照れてしまう。
 「お前も言うようになったもんだ。」
 「フフ、じゃあお疲れ様でした♪」
 「ああ、じゃあ明日な!」
若菜は更衣室へ寄り帰って行った。更衣室を出ると島田とすれ違い挨拶をした。
 「お疲れ様でした♪」
 「あ、ああ、お疲れ…」
島田は若菜の姿を見てびっくりした。
 「あいつ、あんなミニスカート履くのか…??」
そう、デニムの超ミニスカートに生足でハイヒールを履き、胸元強調の白いタンクトップに黒のレザーコートを身につけていたからだ。
 「男に目覚めたか?んな事ねーか!ハハハ!」
お洒落をしたい年頃だと思い若菜を見送った。
 夜の街に若菜は輝いた。すれ違う男は必ずチラッと見て行く。そんな中をさっそうと歩き、若菜はある場所を目指した。


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