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ゆえとナオさんpart4
【同性愛♀ 官能小説】

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第1話-1

今日も三人で、
土手うえのサイクリングロードをジョギングです。
陽気がいいので、人も自転車もウラウラしています。

「キャッ!…」
「あぶない!」
ロードの自転車が、すぐ脇をすり抜けて、
美さきちゃんにぶつかりそうになります!

パンッ!シュッ!シュッ、シュン
追い越した自転車の後輪がパンクして、走れなくなります。
ナオさんがすっ飛んでいって、
ロード乗りの、若いお兄さんの胸ぐらを掴み上げます。
ナオさんは背が高いので、相手を見下ろして怒っています。

「こんにゃろー!小さい子に危ないじゃない!
歩行者優先って、出てるでしょ!
こっちも横に広がってないのに、謝りなさいよ!」

私も急いで飛んで行って、ナオさんの反対の腕にすがりつきます。
ナオさんは美人ですが、本気で怒らせると、相手が大変なことになります。
「ごっ、ごめんなさい」
「気をつけなさいよ!」

ロード乗りの人は、
なぜか急にパンクした自転車の脇に立って、ボーゼンとしています。
見ていたおばあちゃんが、小さくパチパチしてくれました。
ロード乗りのお兄さんはカッコ悪いです。

「ナオさん…ありがとね…」
マンションに帰ってきて、
グッスンだった美さきちゃんは、ナオさんの口をぺるぺるして甘えています。
私たちはいつも仲良しです。

「んふ。マナーの悪いのが多くていやぁね」
「よくナイフを当てられましたねぇ。タイヤの幅なんて2,3センチしかないのに」
「訓練のたまものよ」
「忍ノシュギョウ…デスカ…」
「聞きたい?」
「「ききたいでーす!!」」



「ねぇねぇ、ダン。私にナイフテクニックを教えてよ。元教官なんでしょう?」
「おぉ?ナオは本当に男の子のすることが好きだな。
いいだろう。但し、護身の範囲でな。
でないと、マリーに言い訳できなくなってしまうからな」
「うん」
「外に出よう」

「こんな感じ?」
ナオは、男の子の遊び仲間とやるように、落ちていた枝を構える。
「フム、そのまま突いて来てごらん」
「フン!」

ダンは身体を回すようにして、突いて来たナオの腕を絡め取り、背負い投げる。
ナオは既に背が高くなっていたし、
ダンは小柄な方なので、スルリとナオの懐に入ってしまう。

(あっ)
ナオは反射的に、地面を蹴って自分から宙に飛ぶ。
(そうなんだ)
頂点で猫のように半身を翻し、ダンに正対して着地する。

「ナイフ術は、格闘ができないとダメなんだね」
「そうだ、ナイフは短い。相手の間合いが近いんだ。
それは護身術と考えるとリスクなんだ。
中には手持ちの得物を捨てて、関節を取りにくるのもいるからな」
「うーん」
「じゃあ、こういうのはどうだ?」

タンッ!
どこから取り出したのか、
ダンはワンアクションでナイフを飛ばし、手近な木の幹に突き立てる。

「ワオ!カッコいいね!」
「これなら自分の間合いだし、相手に必要以上の怪我を負わせなくて済む。
ナイフは薙ぐとダメージが大きくなるからな」
ダンは空中で手刀を切って見せる。
「うん、やってみたい」
「よし、先ずはナオに合ったナイフを選ぼう」


「ちょっと!ダン!」
(そらきた)
「あの子、ナイフを飛ばす練習してるじゃない!危ないわよ!」
「護身術の練習だよ。ナオはスポーツとして楽しくやっているよ」
「でも、投げナイフなんて」
「なぁ、マリー。ナオは美人だ、
自分の身を護る術を、身に付けておくべきじゃないかな?」
「それは、そうだけれど…」
「あくまでも護身術の範囲内で、私の許可無しでロッカーの鍵は渡さない。
どうだろう?私は元、職業的教官なんだし?」
「それは、あの子の身に何かあるのは困るけれど…。怪我はさせないでよ」
「気を付けるよ」

(やれやれ。男の子の母親ってのはあんなもんだが、
男の子でも、いわゆる母親でもないんだがね)


「ダメだ、ダンみたいに深く刺さらないよ」
「ふぅむ。どの向きからでも、ワンアクションで打てるように教えているから、
相手の機先を制するには十分なんだがな?」
「モア、パ、ワーーー」
「ジャジャっ娘だな。では、パワーアップといこう」

ダンはガレージからサッカーボールを持ち出してくる。
「私がフットボールのセンスが無いのは知ってるだろ?」
「うん、知ってる」
ナオは首をすくめて笑う。
「そのヘボ選手が、回転の力を使うとどうなるか?
ナオ、ボールをミドルキックの高さにトスしてくれ」
「うん」
ナオは言われた通りに軽くトスする。
バシッ!
ダンは空中一回転蹴りで、サッカーボールを虚空に飛ばす。
「ワオ!学校でやってみよう!」
「で、回転の力をナイフに乗せるとどうなるか?よし、車で出よう」

ダンは愛車のピックアップトラックを、郊外の廃車置場に停める。
「ここは倒産した解体屋で、私の子供の頃の遊び場でもある」
「カーステでも盗ってたの?」
「なんだって!?どうも、きみの遊び仲間にはガラの悪いのがいるなぁ」

ダンは手頃な車を物色する。
「これがいいだろう」
他の、危なっかしく平積みされている車ではなく、
一台だけで地面に置かれているセダンを選ぶ。
フロントガラスは無いし、ホイールも外されている。

「何しようっての?ナイフで車は倒せないよ?」
ナオはニヤニヤしている。
「まぁ、見てなって。跳弾するから、それ以上前に出ないようにな」

ダンは片手に数本のナイフを持って、
セダンのサイドに正対する。
(ニードルみたいなナイフだな。重そうだ)


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