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噂をすれば恋
【女性向け 官能小説】

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お店を出て何も言わずに手をつないだままタクシーに乗り込む。
慣れたそぶりで地名をいい
降りた場所から少し歩いて本当に自然にホテルに入った。

慣れてるな

それがその瞬間思ったこと。
本当に自然で、私も何の抵抗もなく付いてきた。

もちろん振り払おうと思えば
その手は振り払えたし
いくらでも抵抗できた。

ただ、先週すみれが言った
「いい男」が頭の片隅で残っている。

すみれの言ういい男はセックスが上手い男。

どこからそんな情報を仕入れたのかしらないけど
酔った頭で思ったのは
この男なら寝てもいいかな。と思った。

この男の何を知っているわけでもなく
ただ、会社名と部署を知っているだけ。

話したって数時間。

だけど、この男の手の暖かさと
私に対する扱いで、ひどい男だとは思えなかった。

「何かあったら開発に怒鳴りこんでやる」

そう笑いながら言うと
この男はにやりと笑って
「望むところ」と私の耳をかんだ。

「ちょっと待ってて。油抜いて来る」

そういうと口の端にキスを残してシャワールームに消えた。
先週から広報の情報網を使って
金子さんを調べたら
恐ろしく優秀な研究者で
彼は週に1回の全国の開発チームの会議に山梨代表の数名のうちの一人として
本社に顔を出している。
彼を山梨の研究所に送り込む条件として
木曜日の会議を金曜日に変更したほど。

こっちに彼女でもいたんだろうか。
週末は絶対に横浜で。と条件を出したのは
開発では有名な話らしい。









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